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王道を走れば:幻想にて
第四章、その6の3:一線 ※エロ注意
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頭を当てると、言葉通りに中には入れず、しかしぐりっと女芯を擦るように肌を掠めた。精子とはまた違った熱さを、そしてきかん棒の硬さを感じてアリッサは、ほぉっと息を零す。

「っっ・・・あぁぁ・・・熱いぃ・・・」

 薄暗き室内に零された彼女の息が、間近にある慧卓の唇に掛かる。陶然として瞑られている彼女の瞳が愛しくなり、慧卓はそっと唇を目端に落として涙を吸う。アリッサが薄く瞳を開いて見遣ってくると、その恍惚としたいじらしさに、慧卓は無性にキスを落としたくなる願望に取り付かれた。目端、頬骨と接吻を落とすが、唇に視線を向けた際にはアリッサが顔を俄かに背けてしまった。

「・・・だめ、ですか?」
「・・・・・・・・・ん」

 懇願するような声に抗しきれず、アリッサは顔を元に戻す。瞼は閉ざされず、確りと慧卓を見詰めていた。翠の眼が聖水の如き清らかな湿りを帯びているのを見詰めていると、慧卓は心が囚われたような感覚に陥る。脳裏に想い人を想起してしまうが、禁忌を犯す魅惑の前には思考の波へと消え去っていく。

「・・・ん」

 二つの影が自然と重なった。緩い風に煽られて雨が窓を打ち付けなくなった。遥か遠くの大地に落ちた稲光によって、二人の唇が交わっているのが淡く照らされた。複雑な思いを抱えたままの瞳はぶれず、相手を見詰める。軽く柔らか味を感じる程度のものであり、時が止まったかのような感覚に陥る。
 一度、互いを啄ばんでから、唇がついと離れていく。

「・・・しちゃいましたね」
「・・・ええ」
「・・・」
「んむ・・・あむっ・・・」

 再び唇が落とされる。今度は啄ばむようなものであり、表面的にはより大きな愛情を感じさせた。だがそれは明らかに慧卓にとっては、コーデリアに対する裏切りの行為でもあった。だが親愛を感じるアリッサに対する行為でもあり、それは罪悪感を凌駕して、背徳的な興奮を齎す。
 慧卓は腰をゆっくりと揺すって、陰部同士を擦り合わせる。丁度胸元に彼女の乳首が擦れており、僅かながらも興奮の触発に役立ってくれる。体重は余り掛けられていないためアリッサは特段の負担を感じる事無く、恥部から走る性の波に身を委ねていく。

「いっっっ、はぁっ・・・す、すごい・・・」
「っぁ・・・な、何が、ですか?」
「これ・・・さっきのとはぁ・・・んああっ、比べ物にぃ・・・んむっ、ちゅるっ、んんっ!」

 彼女の手が慧卓の肩と後頭部に回され、接吻が一気に深くなってしまう。唇越しに歯が当たったりはせず、自然な成行きで舌が絡みだしたのだ。一度濡れてしまっては二度、三度と濡れてしまうのも気にならなくなってしまうのだろうか。二人しておずおずと舌先を伸ばしあい、唾液の交わいをさせる。腰の躍動と連動するかのように口吻は段々と遠慮を失っていく。驚いた事にキスに
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