第二章 A's編
第二十五話 『いつもの朝の風景』
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番緩ませる時でもあるという事を本人は気づいていない。
…そう。この家にはシホ限定で入浴時に乱入してくる猛者が数名存在しているのだ。
夜は主に桃子の名が上げられるが、朝は士郎とともに食事の準備をしている為中々その機会は訪れない。
だがもう一人…道場で朝早くから兄・恭也と稽古をしている美由希の存在がある。
それ故に、
「シホちゃん、入るよー?」
「え゛…?」
シホが気を緩めている瞬間を見計らって美由希がお風呂場に乱入してきた。
しかもその傍らにはなぜかなのはまでいるではないか。
《なのは!?》
《ご、ごめんなさい! お姉ちゃんを何とか説得しようとしたんだけどいつの間にか主導権を握られちゃっていて、その…》
《ああー…うん。それじゃしかたがないわね》
《本当にごめんね、シホちゃん…》
二人は思念通話でお互いに話を済ませて、シホは次になのはには聞こえない程度に、
(美由希姉さん…)
(んー? なに、シホちゃん…?)
(いつもいきなり入ってくるのは反則だと思います…最近はとうとう自覚してきてしまって裸を見られるのが、その…女性の人に対しても恥ずかしいんです)
美由希はシホに小声で話しかけながらも体を平行して洗っている。
対してシホは赤くなっている顔から下を湯船に沈めながら尋ねる。
そのシホの構図は年頃の女の子特有のものを孕んでいるため、美由希のなにかのメーターは一気に上昇し振り切った。
なにかって…? それはもうシホがとても愛らしいという感想以外浮かばないほどに威力は抜群である。
美由希は無言になり、だがなのはは姉の異変に気づいているのかいないのか首を傾げている。
変わりにシホは盛大に地雷を踏んだような気分になった。
それから美由希はさっさと体を洗い流し(ついでになのはも)、いざ参らんとシホの入浴している湯船に入ろうとしてきていた。
「ね、姉さん!?」
「ふふふ…シホちゃんがいけないんだよぉ? そんな態度を取られたら我慢できないじゃん!」
瞬間、美由希の口元には弧が描かれる。目も少し危なく光っていることから危険度が窺える。
シホは即座に頭の中で鳴り響いている警報に従いお風呂場から脱出しようと試みる。
だが、その脱出しようとした手首にはこの場ではありえない物が巻きついていた。
(こ、鋼糸!? お風呂場の無防備な場所のどこに!?)
シホはすぐに糸の先を辿るとそれは、
(鋼糸…じゃない!? これは強化されたタオルの糸!)
「シホちゃん、どうしちゃったの? 急に固まっちゃって…」
「そうだね、どうしたの。シホちゃん?」
「………(なんでよ?)」
シホの思考が停止してしまったのを見計らい二人も湯船に浸かってきた。
当然シホは美由希に再度引きずり込まれたのは言う
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