第二章 A's編
第二十五話 『いつもの朝の風景』
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Side ???
それは不思議な出会いやった。
まだ桜が咲いていて春が抜けきらない季節、私がかかりつけの担当医師の石田先生に家まで送ってもらい、その後に食事の支度をしようと思った矢先の事。
庭の方からなにやら大きな音がしたと思ってガスの火を止めて庭に出てみるとまるでなにかが落下してきたみたいなでかいクレーターが出来ておった。
そしてよく見るとクレーターの中心には一羽の鳥…見た目からして鷹か鷲のような大型の鳥が傷だらけで横たわっていた。
それで私は混乱しながらもすぐに石田先生を再度呼び、その鳥を見てもらった。
だけど石田先生は獣医ではないのでてんやわんやしながらもなんとか二人で包帯やら傷薬などで手当てをしてあげた。
とりあえず応急処置が終わり石田先生は後で獣医の人を呼んでくれるとの事でそのまま帰っていった。
…それからしばらくして鳥さんは目を覚ました。
どうやらまだ状況が分かっていないらしく辺りをキョロキョロとしているのが少し可愛いと思った。
やけど、次の瞬間、
「…ふむ、状況は把握した」
「……………へ?」
「さて、では問おう。少女よ、君が私のマスターか…?」
…突然鳥さんが人の言葉を喋りだして私の事を“マスター”だと言ってきた。
…ますたー? …マスタード?
あかん、そないなボケを頭の中で考えている状況や無い。
これは夢や。うん、そうに違いない。
「…という訳でお休み」
「こらこら、いきなり現実逃避とは頂けないな。まぁ気持ちは分からんでもないが…私とてそうなのだから」
「そうやよね…」
それで回らん頭をなんとか稼動させてその鳥さんに話しかけてみた。
「…それで、君はなんやの? 突然人語を喋りだすやなんて…」
「なに…人語だと…? それは当然の事なのではないか?」
「…もしかしてわかっとらんの?」
「なにがだ?」
それで私はしかたなく鏡がある方に向かせてみた。
鳥さんは鏡を見た瞬間、ピキッ! という音が出そうな感じに固まってしもうた。
そしてしばらくプルプルと体を震わせていたけど、
「……………なるほど。再度状況は理解した。…地獄に堕ちろ、世界」
なんや物騒な物言いをして少し鳥さんはへこんでいる様に見えたのは気のせいやないやろうな。
それからお互い自己紹介をして少しおかしいけど今まで一人だった私『八神はやて』に家族ができた。
◆◇―――――――――◇◆
Side シホ・E・シュバインオーグ
…P・T事件から半年ちょっとばかし経過して、既に季節は十二月の始めで冬の季節。
私は四時過ぎの早朝に朝のジョギングをしていた。
特に変わった事はないが、この世界に来たばかりと違う点が一つだけある。
それは自身の髪型に
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