第十八話 プールその四
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「サーキットトレーニングも出来るから」
「本当に設備の充実した学校よね」
「だから雨でも大丈夫なのよ」
「朝練も出来るのね」
「ええ、そうなの」
「じゃあ雨の日でもこうして」
「朝練行って来るから」
こう母に言う。
「そうするからね」
「頑張ってね、朝も」
「うん、ただ朝はね」
「結構辛いでしょ」
「いつも起き抜けは調子が出ないのよ」
低血圧の傾向があるからだ、琴乃はこの傾向があるのだ。
「だからね」
「そう、だから余計にね」
「朝御飯はなのね」
「しっかり食べるの、まずは朝よ」
全てはそこからだというのだ。
「食べることからよ」
「そうよね。本当に朝を食べないと」
「そういうことよ。頑張って食べなさい」
「頑張ってなのね」
「そうよ」
こう娘に言うのだった。
「それから一日はじまるから」
「よく朝御飯食べない人いるけれど」
「それは駄目だから。ちゃんと三食食べないとね」
「駄目なのね」
「人間は朝昼晩とちゃんと三食食べないと駄目なの」
母の教育として譲れない部分だ。このことはどうしてもなのだ。
「だからよ」
「お母さんそのことには厳しく言うよね、昔から」
「人間食べてこそだからね」
それでだというのだ。
「衣食住足りて礼節を知るだけれど」
中には例外もいるが人がそうしたことが整ってからようやく心にゆとりができて人間としてもモラルを学び身に着ける様になるのだ。
「まずは食べないと」
「それからよね」
「そして服にね」
「お家ね」
「裸でいられないでしょ」
「えっ、それはかなり」
ちょっとどころではなかった、琴乃もこのことには眉を顰めさせて言う。
「無理よ、そんなの」
「琴乃ちゃんお家の中でもちゃんと服着るしね」
「絶対に無理。お家だってね」
「必要でしょ。それでその最初に来るのがね」
「食べることだから」
「そのはじまりの朝食は余計にね」
抜いてはならないというのだ。
「しっかりと食べなさい。いいわね」
「そういうことよね」
「そして学園生活を頑張るのよ」
「そうするね。プールも」
琴乃は母に応えながらプールのことも考えるのだった、そしてだった。
朝登校してそして朝練に出てからクラスに入る。するとすぐに里香が琴乃のところに来てこう言ってきたのだった。
「明日の体育だけれど」
「あっ、プールよね」
「そう。プールだけれど」
里香は困った感じの顔で琴乃に言う。
「琴乃ちゃん水着何なの?」
「黒の競泳だけれど」
「黒なのね」
「里香ちゃんは?」
「私二つあるの」
こう琴乃に言うのだった。
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