第五百五十七話
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第五百五十七話 六人だから
美奈子は華奈子と同じ湯舟に浸かりほっとした顔になっている中でその華奈子に対して微笑みを向けてこう言った。
「私多分ね」
「多分って?」
「マラソン一人じゃあそこまで出来なかったわね」
「美奈子が走ったんじゃない」
華奈子は美奈子に笑顔で返した。
「走ったのは美奈子よ」
「けれど華奈子がアドバイスしてくれて」
それにだというのだ。
「一緒に走ってくれたじゃない」
「あたしも出るからよ」
「違うと思うけれど」
「まあね。姉妹だからね」
それも双子の。
「一緒にね」
「そうでしょ。だからね」
「美奈子一人じゃあそこまで走られなかったっていうのね」
「そうなの」
こう言うのだった。
「本当に有り難うね」
「あたしだけじゃなくてなの」
「うん、皆も助けてくれたから」
「完走出来てあの順位だったっていうのね」
「そう思ってるからね」
「六人だかね」
華奈子は笑顔で応える、そしてだった。
美奈子に対してこう言ったのだった。
「あたしもそうね。お勉強だって皆が教えてくれるから」
「よくなったっていうのね」
「実際に美奈子もいつも教えてくれるじゃない」
「六人だから」
「だからこれからも六人で頑張ろうね」
華奈子は笑顔で言う。
「ずっとね」
「そうね、ずっとね」
「それでだけれど」
ここでこうも言う華奈子だった。
「何か面白いことになりそうよ」
「面白いことって?」
「塾にあたし達の学年で誰か来るんだって」
「新入生?」
「そう、その娘が来るらしいよ」
「ふうん、誰かしら」
美奈子もそれを聞いて考える顔になる。
「楽しみだけれど不安ね」
「そうよね。経験者らしいけれど」
「それでも誰なのか」
「期待するけれど不安よね」
こう話す二人だった、とりあえず六人では楽しくやれたがこれからはわからなかった。
第五百五十七話 完
2012・1・8
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