第二十三話〜本音〜
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ベッド。そこに眠るのは自分の教え子であり部下であるティアナであった。
なのは「……」
彼女を見て思い出すのは訓練でのこと。ティアナの無茶と自分の暴走、そしてライの介入。あの時の自分を思い出し自己嫌悪に陥りそうになり少し目頭が熱くなった。
なのは(……駄目、それは駄目…それだけは駄目なの!)
自分に言い聞かせるように目を瞑り、首を横に振る。そして少し落ち着いた頃にその部屋の扉が開かれた。
フェイト「……なのは?」
そこにはなのはが起きているのかを確認するために名前を呼ぶフェイトがいた。
なのは「フェイトちゃん……」
フェイト「良かった。目が覚めたんだね。」
なのは「うん。」
ベッドの隣に脱がされていた制服の上着に袖を通しながら、自分が気絶したあとどうなったのか聞こうとしたが隣にティアナが寝ているのを思い出し場所を変えることにした。
機動六課・隊舎屋上
2人が向かったのは隊舎の屋上。普段から人気の少ない場所であったため今回も人がいないことを予想しこの場所を選んでいた。
なのは「……あの後、どうなったの?」
フェイト「ライがなのはを気絶させた後、訓練は中止になったよ。」
なのは「…………迷惑かけちゃったね。皆にも、ライ君にも…」
落ち込むなのはを見て何か声をかけようとしたが先になのはが口を開いた。
なのは「フェイトちゃん、ライ君はどこにいるか知ってる?」
フェイト「え?あ、確か中庭にいたと思うよ。」
なのは「少しお話してくるね。」
その場から立ち去ろうとするなのはの背を見送るフェイトはその表情を不安で曇らせた。それはなのはとライが話すことにではない。それは自分にとっての大切な親友の気持ちを知ることが今は怖かったからだ。
なのは『大切なものを失いそうになったこともない人に私の気持ちなんてわからない!!』
模擬戦の最後に彼女が叫んだ彼女の言葉。それを聞いて思い出すのは幼い頃、彼女が堕とされて生死の境を彷徨ったあの事件。自分にはできることがなかった。だから自分にできることとして彼女の弱音ぐらいは聞いてあげたかった。
だが彼女は泣くこともなく、弱音を吐くこともなく回復した。これまでフェイトはなのはの強さに憧れた。心配もするが心のどこかでは「なのはだから大丈夫」と思い込むようになっていた。それほどフェイトの中でのなのはは大きな存在になっていたのだ。
しかし彼女の叫びはフェイトのその考えを否定するものであった。
フェイトはあの事件からなのはが溜め込んでいたものを知るのが怖かった。もちろんなのはの為に何かをしたいとは思っている。だがそれが自分では解決できないことだった場合、またなにもできない自分を再確認するこ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ