第一章 グレンダン編
天剣授受者
天剣授受者選定式
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もしてません!』
『金剛剄ですね。鉄壁の天剣であるリヴァースさんの剄技ですよ。当たった瞬間、弾いたのでしょう』
解説役の司会者が状況を理解していないようで、止む終えずデルボネがフォローを入れる。会場は天剣の剄技を使ったシキを驚愕の目で見る。
『習得はそこまで難しくありませんよ。極めるのが難しい技、ですよね、リーヴァスさん?』
『は、はい、習得は難しくないですよ。秘奥とかそういうレベルの技じゃないですし』
リーヴァスの解説も入り、会場は熱狂の渦に包まれる。それと同時に男が立ち上がる。闘技場の壁に突っ込んだせいか、埃だらけで頭から血を流していたが戦意は失っていなかった。
「くっ、さすがにここまで来るという武芸――」
「喋ってる暇があると思ってるのか?」
男の言葉が終わらないうちにシキは男に近づき、腹部に掌底打ちを放ち、上空に上げる。
男は意識を持って行かれそうになったが精神力でなんとか持ち直す。だが、持ち直すだけで反撃する暇などなかった。
空中にはもうシキが『何人』もいた。
『こ、これはもしかして!? ルッケンスの秘奥とも言われてるあの技かぁ!?』
「そ、そんな馬鹿な!? この剄技はクォルラフィン卿しか扱えないのでは。なぜ貴様が!?」
「……てめえが落ちたとか言った天剣授受者の剄技だ。派手に散れよ、おっさん」
活剄衝剄混合変化、千人衝。
徐々に増えていくシキたちは、ひとりの男を囲む。男も錬金鋼を振ろうとしたが十人のシキが刀身に触れると粉々に砕けた。
外力系衝剄の変化、蝕壊。
本来なら何回も流し込んで武器を破壊する剄技だが、人海戦術で一気に崩壊まで導く。男はそれを見ながら、叫ぶ。
「このぉ化け物がぁあああっ!!」
「言われ慣れてるよ、んな言葉」
五人ほどのシキがまた腹部に拳を入れて上空に飛ばす。そして本物のシキがかかと落としで男を地上に蹴り飛ばした。
激しい音ともに男は地面に叩きつけられ、意識を失った。
粉塵が巻き起こり、落ちた男の様子が見えない。
『うん、まだまだムラがあるけど千人衝だ。これ見てるルッケンスの師範代たち、子供が体得できて君たちに出来ないわけないよね?』
サヴァリスはシキの千人衝のダメ出しをしたあと、自分の武門を習う者たちにもダメ出しをする。試合を見ていたルッケンスの武芸者たちは無言で頷き、音もなく地面に着地したシキを畏怖の対象としてみる。
静まり返った闘技場で、端子のデルボネの報告が響く。
『ハーゲン・デルセン選手は気絶していますよ。審判の方? 驚いていないで進めてください』
『は、はい!! えー、勝者! シキ・マーフェス!!』
そして地響きのような歓声が響き渡り、勝敗が決まった。
レイフォンは聞こえてきた歓声で勝敗が決まったことを感じ取った。
シ
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