第一章 グレンダン編
天剣授受者
天剣授受者選定式
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とさせていただきます。殺すことも勝利条件ですが、あまり良い結果とは言えないでしょう』
当たり前だと口に出かけるが押し黙るシキ。いつもの調子で話しかけたら、周りになんて言われるかわかったものではないからだ。
いくつか注意事項を言われた後、デルボネはいつも通りの言葉で締めくくった。
『では皆さん、よい戦場を』
ついに天剣を決める戦いが始まる。
『オォオオオオオオオオオオオオオオッ!!』
試合なので闘技場に出てきたシキは、あまりの大歓声に肩を竦めた。
グレンダン中から人が集まってきているせいだろうか、歓声が上がるたびに闘技場自体が揺れていた。
そんな中、満員である闘技場の観戦席にポッカリと空いた空間を見つけた。そこには見慣れた面々が座っていた。
『頑張れー!! シキにいーちゃーん!』
『適当に頑張れよー』
「シキ様―!! 頑張ってください!!」
まず聞こえたのは孤児院の子供達の歓声とクラリーベルの歓声、そして天剣授受者たちの冷やかしの声だった。
それを見て脱力する。孤児院の子供たちは天剣たちに緊張していないが、デルクやリーリンなどの歳がある程度ある者たちは恐縮していた。
『さぁて!! 出てきたのは十歳の武芸者!! 聞いて驚け! これでも男! シキ・マァアアアアアッフェス!!』
ざわざわと会場がざわめく、先ほど売り子をしていた件もあり、観客たちは困惑していた。シキは顔を赤くしながら俯く、天剣たちはゲラゲラと笑っていた。
そんな混沌とした中、反対側から出てきたのは控え室でシキに突っかかってきた男だった。
シキのテンションが急激に下がっていく。
『そして武門ミッドノットからの出場!! ハーゲン・デルセン!!』
男は無言で錬金鋼を幅広の長剣に復元する。
しかしシキは自然体でボーッとその錬金鋼を見ていた。
「何をしてる、早く復元しろ」
「嫌だ」
シキがそういうと男は剄を身体から溢れ出させながら、シキを睨みつける。
大の大人でも竦み上がりそうな視線を受けてもシキは動じなかった。むしろ、これに動じたら汚染獣戦など出来はしない。
『さて! 第一回戦! スタァァアアアアアアアット!!』
スタートの声と共に男は剄で強化した足で、シキに高速で近づいた。
観客には一瞬で男がシキの目の前に立ったように見えるだろう。それなのにシキは構えもしなければ錬金鋼を手に持とうとしなかった。
「舐めているのかぁあああっ!!」
男は剣を振り下ろした。狙いは脳天、当たれば武芸者といえども即死だろう。
観客からは悲鳴が上がり、見ていたリーリンは手で目を塞いでしまった。
そして男の剣がシキに触れた瞬間、男は吹き飛んだ。
『こ、これはどういうことでしょうか!? ハーゲン選手が吹き飛んだ!! シキ選手は何
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