狩りに行こうぜ!A
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小闘技場。そこは誰がどうやって連れてきたのかわからないモンスター達とハンターが戦う決戦の場
「なあ、最初に狩るのってなんだ?」
「アオアシラだった気がするが?」
青い毛と堅い手甲を持つ牙獣種アオアシラ、別名青熊獣
空こそ飛べないものの、人間の体格を遥かに凌駕する体躯と大木をもやすやすと叩き折る太い足から繰り出される無慈悲かつ豪快な一撃は下手な腕を持つ者なら抵抗すらできず、命を刈り取られてしまうだろう
……と言えば強そうなのだが、実際のゲーム内ではただの初心者向けの敵である
「アオアシラってどんなモンスターなの?」
今いるメンバーの中で唯一モンハンを実際にプレイしたことがないサチが支給されたアイテムの入ったポーチの中を漁っていたリョウコウに尋ねる
「ん?……まあでっかい熊だと思ってればあながち間違いじゃねぇだろ」
「適当だな。……サチ、熊に手甲をくっつけてデカくしたやつだ」
「五十歩百歩……」
リクヤが疲れたようにつぶやいた
明るいはずの闘技場内がリクヤの周辺だけ暗くなった気がした
「そんな相手に私の槍が通用するかな……」
このメンバーの中で唯一戦闘メンバーではないサチ。不安に思うのは当然だろう
SAOの中でも前に出るのが怖くて後衛の槍から前衛の片手剣への転向を渋ってたくらいなのだから
「ま、いざとなれば俺が守ってやるさ」
「リョウ……」
サチが熱のこもった視線でリョウコウを見るが、当の本人はポーチの中に入っていた回復薬をしげしげと見ている
その様子を見たリンとリクヤはリョウコウとサチから少し距離をとるとヒソヒソと話し始めた
「なあ、リクヤ。ブラックコーヒー持ってないか?」
「そんなアイテム、モンハンじゃ聞いたことないよ……。まあ、気持ちはわかるけど」
胸焼けがするほど甘ったるいのだ。アステルパーム(一般的な砂糖の100〜200倍の甘さを誇る人工甘味料)を蜂蜜で固めたものを食べたレベルで
……想像するだけで気持ち悪くなってきた
「リョウは……無意識だな」
「なんか、キリトを彷彿とさせるな」
この場にキリトやアスナがいれば、お前たちは言える立場にいない! と叫ぶだろうが、幸か不幸かこの場にはアイテムポーチを漁るリョウコウとその世話を甲斐甲斐しく焼くサチしかいない
「……まあ、気にせずこっちはこっちの準備をしようか」
ポーチの中に入っていたのは応急薬、回復薬、携帯食糧、こやし玉、しびれ罠、ペイントボール、砥石、剥ぎ取り用のナイフ、投げナイフ、調合用錬金釜、ハチミツ、調合書@、調合書A 以上
「ねぇ、リン。これはツッコミ待ちだと思う?」
リクヤが調合用錬金釜をつまみ上げ、しげしげと見つめながらリンに問う
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