第2章:おてんば姫とチャラ王の冒険
第10話:アレの後の朝日は目に染みる
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から…」
責められているリュカは、キョトンとした感じで答える。
困っているのは村人達だ…
我々の険悪な雰囲気を感じ取ったのだろう。
ワシ等とリュカを交互に見て黙り込んでしまってる。
「え、何? 何で怒ってるの?」
「別に怒ってませんが、何もしてないリュカさんが、この村を救ったかの様に宴の主役になるのはおかしいでしょう! この場合、敵のリーダーを仕留めたアリーナ様こそが、その席に座り持て成されるべきです!」
うむ…全く持ってその通りだが…
喜んでいる村人達を不安にさせてまで言う事ではないな。
この村を出てから、個人的に咎めれば良いだけの事じゃ。まだまだ青いのぉ……
「だから僕も言ったよ。『大して何もしてないからお礼は他の人に言って』って…でも村の人達は直ぐにでも宴会をしたかったみたいで、出席をせがまれたんだ。君達は爆睡してるし…村人達の好意を無駄にも出来ないし…快く受け取るしかないでしょう!? …それともナニ? 好意を無駄にして、シカトすれば良かったの? 疲れている君達を叩き起こして、イヤイヤ宴会に出席させれば良かったの?」
確かにリュカは間違った事をした訳ではない。
村人達が強く勧めてきたのなら断る事など出来ないだろうし、ワシ等を叩き起こされても楽しく宴に参加出来ないだろう。
しかもこれで、何もしてないリュカを後でとっちめる事も出来なくなった。
あほクリフトめ…もう少し考えて発言せい!
「クリフト…貴方の気持ちは分かるわ。あの敵はとても強く、倒すのに苦労したからね…でもね、この旅は武者修行の旅なのよ! もしリュカが手伝いあの敵を倒したとしても、私にとっては無意味な事になるの。わざわざザコだけを倒してくれて、メインを私達に残してくれたリュカに、その言い様は無いと思うわ」
姫様がクリフトを窘める様に話しかけ、そしてリュカの隣に座り宴に参加する。
「そうじゃの〜…」
ワシも姫様の発言に乗っかろうと、クリフトに話しかけながら宴の席へ移動する。
村人達も少し安心してきた様だ。
「ワシはな、宿屋を出る前にリュカの部屋を覗いたのだが…ベッドを使った形跡が無かった」
「そ、それが何でしょうかブライ様?」
「つまり、リュカはワシ等と別れた後、宿屋へ戻って眠っていたワケでは無い…物陰に隠れワシ等の戦いを見守ってくれてたんじゃろう。もし危険になったら助けようとして、ワシ等の事を見守っていたのじゃよ!」
「な。何を言ってるんですかブライ様…リュカさんは『シスター・パメラの所へ行ってくる』と言って、私達を置いていったではないですか!?」
「この村からサランまで、一晩で往復出来るワケがないじゃろう!“常に側にいて助けてもらえる”という思いがあると、自らの成長の妨げになる物じゃ…危険と隣り合わせだと思って
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