第2章:おてんば姫とチャラ王の冒険
第9話:え、本当に食べちゃったの!?
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(テンペ村)
クリフトSIDE
(デンデレ デンデレ デレデンデレ)
「ちょほいと待ちなぁ〜」
ギターの音とリュカさんの声のする方へ視線を送ると…
それなりに高い木の上で、ギター片手にカッコつけるリュカさんの姿が…
「一曲、歌わせてもらうぜ!」(デンデレン デレンデレデン)
そして何やら歌い出す…
「や、喧しい! 何なんだお前は!?」
一歩も話を進めず、ただ歌い続けるリュカさんに、カメレオンマンは怒鳴りつける。
うるさいギターが止んだので、ちょっと感謝の気持ちが芽生えた。
「“何だ君は!?”ってか?………トウ!」
木の上で恰好付けていたリュカさんは、掛け声と共に飛び降り我らの側へと着地する。
結構な距離があったのだが、超人的な跳躍力だ!
「美女を求めて其処彼処! 美女の為なら何だって! …そうです、イケメンラブハンター・リュー君とは僕の事サ!」
爽やかな笑顔とサムズアップで決めポーズする…
この人、一体何なんだ?
「お前の事など知らんわ!」
「僕もお前になど知ってほしくないわ!」
「じゃぁ無駄な自己紹介などするな!」
「お前が聞いてきたのだろ! 何、人の所為にしてやがる!」
あぁ…話がドンドン脱線して行く…
「リュ、リュカさん! 一体何をやってるんですか…我々はそれどころではないんですよ! ふざけるのもいい加減にして下さい!」
私は大声で怒鳴り、リュカさんに今回の目的を思い出してもらった。
「あ…そうだね! こんな事してる場合じゃないや!」
私の大声に一瞬だけキョトンとしていたが、どうやら目的を思い出してくれたらしく、真面目な表情に戻ってくれた。
「おい悪者! お前等の隠れ家は何処だコノヤロー! 大人しく教え、今まで攫った美女達を返せば、命だけは助けてやるぞ! ………さぁ言え!」
リーダー格の魔物を指差し、高圧的に言い切るリュカさん…だが生贄にされた少女を返せと言うのは、些かムリがあるのでは?
「何を間抜けな事を言っていやがる…今までの生贄は全て食ってしまったに決まっておろう!」
やはりそうか…
神よ、彼女等の魂を天国へとお導き下さい。
「うん。喰っちゃったのは分かってるよ。美女を攫ったんだから、目的は喰っちゃう事だよね! でもそれは諦めてるんだ…別に僕は処女への拘りはないから、喰われちゃった美女でも大丈夫なんだよ。だからさ…みんなを返せよ! 攫った事も、喰っちゃった事も許してやるからさ!」
「だから…食ってしまったと言ってるだろう。返そうにも返せないんだよ!」
何処かリュカさんと魔物の会話が咬み合ってない…
と言うより、リュカさんは何を言っているのだろうか?
「おいリュカ…お前の言っている“喰う”と、奴等の言っている“食う”
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