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失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】
原作開始【第一巻相当】
第十五話「流転」
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妖……」
今まで如何にも妖怪、といった風貌のヒトたちしか見てこなかったのだろう。ハクのような小型の妖怪は初めて目にするのか、意外な目で見下ろしていた。
人間嫌いを払拭しきれていないハクは青野の視線など気にも留めず、俺の膝上に乗ると、そのまま身体を丸めた。
「まあ、ハクについてはまた今度改めて紹介しよう。それで、話というのは?」
「あ、はい。その……以前、渡した退学届なんですけど……」
「ああ、これか」
懐から取り出したのは一通の封書。先日、青野から渡された退学届。受理せずに保管しておいたものだ。
「あの……勝手だとは思うんですけど――」
「取り下げてほしい、だろ? ほら」
青野に封書を返すときょとんとした目で見つめ返された。
「なんて顔しているんだ。俺は預かっただけだぞ?」
「えっ、いやだって……あれ?」
「なんだ、それとも本当に退学にしてほしいのか?」
「いやいやいや! 通います通います!」
「冗談だ」
青野の慌てっぷりに苦笑を返し、コーヒーで喉を潤す。独特の苦みを味わいながら飲み干し、一息ついてから改めて目の前の生徒に視線を向けた。
「――それで、この学園に通い続ける覚悟は決まったのか?」
「はい」
真っ直ぐ俺の目を見ながらはっきりとした声で肯定した。
――まあ、本人がそういうなら俺がとやかく言うことべきではないか。ここは生徒の自主性を重んじるべきだな。
「それで……実は先生に、お願いがあるんですけど」
「ん?」
「おれを……俺を、弟子にして下さい!」
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