第十一話
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「くそ寒いなおい……」
俺は障子を開けて外の景色を見ていた。外は一面雪景色である。
うん、寒いけど綺麗だな……。
「誠兄、早く障子を閉めてよ。寒いったらありゃしないわ」
「それについては同感だねぇ。寒すぎるね」
隣にいる魅魔が炬燵の中に潜り込む。ちなみにこの炬燵は河童が製作した物らしい。
……頭に皿を載せてる河童が物を作ってるのは俺も不思議に思うよ。まだ会った事ないからな。
「はいはい」
二人の言葉に俺は頷いて障子を閉めた。障子の付近には開けていたせいか、雪が少し落ちてた。
「寒いわね」
「寒いね」
「寒いな」
『………』
無言だな。てかそれしか言わないのかよ……。
「……あ、蜜柑が無いわ」
蜜柑を食べていた霊夢がそう呟いた。ちなみに霊夢と魅魔の周辺には皮となった蜜柑の残骸があったりする。
「もう無いのかい?」
「そうね、誠兄。人里に行って買ってきて頂戴」
「……お前らが食い過ぎるからだろ……ってうわッ!!」
俺が文句を言ったら二人から蜜柑の皮を投げつけられた。理不尽だぞ……。
「仕方ねぇ。行くか」
俺は厚着して裏口から出た。おぉ寒……。
俺は石段を降りていく。雪の深さは二、三センチくらいだな。
都会だと二、三センチの雪でも交通機能が麻痺するな。スリップ事故とか起きやすいもんな。
「原チャでも出すか」
俺はショートカットで原チャとヘルメを出した。ちなみに無免許だが? 幻想郷には試験場なんか無いんでな。
最初に運転する時はドキドキして緊張したけどな。まぁ今は慣れたな。
「さて行くか」
俺はキーを入れてエンジンに付ける。そのままゆっくりと徐行で人里へと向かった。
「到着っと」
ただいま人里の入口です。徐行で運転していたのに二回滑った。
「おや、博麗の居候じゃないか」
「お、どうした居候?」
「居候なのは確かだけどよ……」
原チャのエンジン音に気付いた人里のオッサン達が俺に声をかけてきた。
「悪い悪い。ところでよ八雲、仕事……してくれないか?」
オッサンが俺にそう言って拝んでくる。……またか。
「冬は作業しないんじゃないのか?」
「いやぁ八雲が冬になる前に来なかったからだよ」
「……そういやそうだったな。仕方ねぇな、やったるよ」
「おぉ有りがたいぜ。ほらこれが紙だ」
オッサンはそう言って俺に紙を渡す。紙には鍬や包丁が何本とか書かれていた。けどよく持ってたな?
「八雲が来る日は分からないから里全員が紙を持っているんだ」
「なるへそ。んじゃまぁ、ショー
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ