第十一話
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トカット『鍬』」
俺は舌を出してショートカットで書かれている鍬や包丁を出していく。そして瞬く間に紙で指定された分量が出された。
「毎回毎回済まないな」
「なに、農作業をするんだから農具が壊れるのは当たり前の事だ」
「それもそうだな。ほら、五十文だ」
「毎度」
俺はオッサンから銭を受け取る。ちなみに寛永通宝だ。
俺は定期的に人里に来て人里で壊れた鍬や包丁等の道具を言霊で出してその御礼に銭か食糧を受け取っている。言霊で出した道具は消えないようにはしているが壊れる事は壊れるので仕方ない。
「これからどうするんだい?」
「あぁ、蜜柑を買いに来たからな」
「ならこの包丁を八百屋に渡しておいてくれ。紙に書いてあったからな」
オッサンはそう言って俺に二本の包丁を渡してくる。まぁ八百屋に行くから問題はないけどな。
「また頼むぜ」
「あいよ」
俺はオッサンと別れて八百屋に向かった。
「おっちゃん、ほら包丁だ」
「お、八雲かい。てことは包丁を出してくれたのか。有りがたい、これで白菜も切りやすくなるぜ」
俺は八百屋のおっちゃんに包丁(といっても薄刃包丁だが)を渡す。
「何か買うのかい?」
「あぁ、蜜柑を三袋ぐらいくれ」
「よっしゃ、包丁を出してくれたからな。一袋はタダにしてやるよ。八文貰うぜ」
「それは有りがたいな」
俺はおっちゃんに八文を渡す。そして俺はおっちゃんから蜜柑を受け取る。
「毎度ありぃ。また来いよ」
「おぅ」
俺はおっちゃんに手を振って八百屋を後にする。さぁてどうするかなっと……。
「ん? 誠じゃないか」
ん? この声は……。
「なんだ、上白沢か」
声をかけてきたのは人里で寺子屋を開いている上白沢慧音だった。上白沢は俺と同じ半妖でもあるが、此方では半人半獣と呼ぶらしい。
「もこたんはどうした?」
「もこたんは言うてやるな。いつも通り迷いの竹林にいるよ」
俺の言葉に上白沢はそう言った。もこたんとは藤原妹紅の事である。
詳しくは知らないが永遠亭の輝夜とは少なからずの因縁みたいなのがあるらしい。
「そうそう、誠のおかげで歴史の授業は捗っているぞ。特に近代史はな」
「まぁ江戸時代のままの人里に近代史を教える上白沢も上白沢だけどな」
「それはどういう意味だ」
上白沢の言葉に苦笑する俺達である。
「授業はもうないのか?」
「あぁ。雪も降っているし遊びたい奴等もいるだろう」
確かに遊んでいる子どもがいるからな。
「そろそろ行くわ。霊夢が蜜柑無いからキレそうだ」
「フフ、大変だな。また外の歴史を教え
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