第八十五話 看病
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くれるのは嬉しいですよ、幽ヶ子さん」
「貴方らしい優しい味がするわ。でも貴方は私が怖くないのかしら?」
「へっ?それってどう言う意味ですか?」
幽ヶ子は一旦箸を止めると闇慈に面と向き合った。
「私には死を操る程度の能力があるの」
「死を操る・・・ですか。それなら僕の貴女と似たようなものですよ」
「どう言う意味かしら?」
「僕は一見、人間に見えますけど・・・」
闇慈は少し離れると死神の姿になった。そのことは幽ヶ子も驚いているようだった。
「僕も死を操る・・・と言うより『死』そのものですよ?ある意味、貴女より恐ろしい存在ですよ、僕は」
「その姿・・・貴方は『死神』なのかしら?」
「はい。でも僕は無闇に命を奪ったりしません。そして僕は『守る』ために死神であるのですから」
闇慈の笑顔の返答に幽ヶ子も笑顔になるとこう答えた。
「貴方って死神なのに、らしくないのね。でも・・・そんな死神も嫌いじゃないわ」
「ありがとうございます、幽ヶ子さん」
闇慈は元の服装に戻り、再び食事の一時を楽しんだ。
そして食事が終わると妖夢のためにお粥を作り、部屋に持って行った。
「妖夢さん。気分はどうですか?」
「大分良くなりました。アンジさんの看病と幽ヶ子様が持って来て下さった薬のお陰です」
「なら良かったです。お粥を持ってきました、少しずつで良いので食べてください」
闇慈がゆっくり妖夢を起き上がらせると彼女の膝の上にお膳を置いた。
「お腹も少しすいていたので、頂きます」
「無理はしないで良いですからね?」
妖夢は少しずつお粥を口にしていって、時間は掛かったがどうやら全部食べることが出来たようだ。
そしてお膳を片付けると、それ程熱くないお湯を入れた桶と手ぬぐいを持ってきた。
「これで体から出た汗を拭いてください。汗は出すの良いけど、そのままにしておくと体を再び冷やしてしまう恐れがあるので、終わったらまた呼んでください」
「はい」
桶と手ぬぐいを置くと闇慈は扉を閉めて、外で待っていた。そして数分後・・・
「ア、アンジさん・・・」
と闇慈を呼ぶ声が聞こえ、終わったのかと思ったが終わるには少し早いみたいだった。
「妖夢さん?」
「あの・・・入ってきてください」
闇慈は首を傾げると部屋の中に入った。そしてそこには・・・
「なっ・・・!?」
上半身裸で闇慈に背を向けている妖夢がいた。流石に闇慈はこれは驚き、顔を赤くして行った。
「妖夢さん!?何を」
「背中を拭こうと思ったのですが・・・届かなくて、だからアンジさんにお願いしたいんです」
妖夢も顔を真っ赤にしながら闇慈に頼み込んだ。闇慈は覚悟を
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