第八十四話 白玉楼
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はぐれ悪魔の一件以来、人里における闇慈の見方は大きく変わった。凶悪な魔物を退治した死神として闇慈の姿を見た人達は拝んでいたと言う。闇慈の戦いを陰で見ていた人間は少なかったがブン屋の文が新聞を発刊し、闇慈の噂は瞬く間に広がって行った。
闇慈はどう接したら良いのか分からずに、とりあえず普通に接するように人間たちに促した。
「あっという間に人気者になったわね?アンジ」
「あははは♪アンジお兄ちゃん。人気者〜〜」
「他人事みたいに言わないで下さい・・・お嬢様、フラン」
その事には闇慈も頭を抱えていた。
そして救ってくれた妖精達も闇慈に感謝していた。光の三妖精のルナとスターは魔力を吸い尽くされただけだったので闇慈がすぐに自分の魔力を注ぎこみどうと言うことはなかったが、サニーは怪我をしたため少し安静にする必要があったが命には別状はなかった。
「そう言えば今日は少し違った仕事をしてもらうって言ってましたけど、今日は何をすれば良いんですか?お嬢様」
「今日の仕事は紅魔館じゃなく、白玉楼と言う所に行って、そこで給仕をして貰うわ。簡単に言うなら『冥界』ね」
「冥界!?幻想郷にも冥界があったんですね。でも冥界にはどうやって行くんですか?」
「そろそろ迎えが来る筈よ」
レミリアと闇慈が話し合っていると咲夜が玉座の間に入ってきた。そして咲夜のとなりには白い髪で髪飾りを着け、二本の日本刀を持っている女子も入って来た。そして印象的だったのは彼女の周りを飛び交う、白いモノだった。
「お嬢様。お連れしました」
「ご苦労様、咲夜。来てくれたのね、妖夢」
「ご無沙汰しています、レミリアさん」
妖夢と呼ばれている女子がレミリアと挨拶をかわすと闇慈と向き合った。
「初めまして、アンジさん。私は白玉楼の庭師、【魂魄妖夢】と言います。どうぞお見知りおき下さい」
「ご丁寧にありがとうございます。白玉楼と言うことは貴女が迎えなのですか?」
「はい。今日一日、よろしくお願いしますね」
(真面目な娘だな、性格が僕と似ているから気が合いそうかもしれない)
笑顔で対応した妖夢を見た闇慈はそんなことを思っていた。
「後、妖夢さん。貴女の周りに飛んでいる『それ』は?」
「これはもう一つの私・・・私の魂です。私は半人半霊なんですよ、アンジさん」
彼女の周りを飛んでいたモノは彼女自身の魂だった。そして彼女の案内で冥界に足を運ぶ事になったが、この時妖夢の顔が少し赤くなっていることに闇慈は気付いたが尋ねはしなかった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「うわ・・・長い階段ですね」
冥界に入り、少し行った所に見上げるほどの長さと高さの階段
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