第三次篇最終部第一幕 取り戻された絆
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だな」
アランが述べた。
「だが。彼は戻って来る」
「確信ですか」
「そうだ」
まさにそうだと未久にも答えるのだった。
「それに木原も行ったな」
「はい、マサト君にも知識がありますから」
「秋津マサトと木原マサキ」
彼はその二人の名前を同時に出した。
「心は秋津で力は木原か」
「完全に一つになっています」
「二つのものは一つになれる」
ここでこうも言うアランだった。
「それなら余計にだ」
「できるんですね」
「あの男は戻って来る」
また言うアランだった。
「必ずな」
「そうですか」
「我々は待つだけだ」
そして言った。
「それではだ」
「どうしろってんだ?」
「それで」
忍と沙羅がアランに問うた。
「戦いはまだあるけれどよ」
「敵の残りがね。そっちに向かうってのかい?」
「そうだ」
その通りだというのだ。
「それに対する」
「そうだね。あの馬鹿でかい戦艦がまだあるし」
「それを何とかしなければな」
雅人と亮もこう話をした。
「だからだね」
「戦いはまだ終わってはいないな」
「わかっていればいい」
アランは静かに述べた。
「ではそれに備えておこう」
「敵の数はもう殆どないがな」
葉月博士もいた。
「それでもだ。敵も死を覚悟しているだろう」
「特攻か」
勇が言った。
「若しかしてそれも」
「有り得ないとは言い切れないですね」
トビアが言ってきた。
「ここまで状況が動くと」
「総員決して油断するな」
ブライトの言葉である。
「何をしてくるかわからないからな」
「はい」
ノリスは冷静にその言葉に応えた。
「それでは」
「間違いなく最後の戦いになるね」
シーブックも言った。
「今度が」
「そうね。後は」
「あのロゼって奴だな」
セシリーとビルギットも言ってきた。
「副司令官だけが残って」
「あいつもかなりの超能力者だからな」
「安心してくれ」
今度名乗り出て来たのは宙だった。
「俺がやらせてもらう」
「何としてもなのね」
「ああ、その通りだ」
こうアンナマリーにも言葉を返した。
「あいつは俺が止める」
「そうするのね」
「それでだ」
さらに言う宙だった。
「この戦い、次で完全に終わらせる」
「ええ、そうね」
「今度で」
誰もが勝利を誓っていた。戦いはまだ行われている。しかしその終わりは近かった。それを誰もがはっきりと感じていたのである。
第三次篇最終部第一幕完
2010・1・29
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