第三次篇最終部第一幕 取り戻された絆
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う。あの国を救う為にも」
「バルマーを救う為にも」
「今のバルマー帝国は間違った道を歩んでいる」
憂いに満ちた顔で言うのだった。
「ただひたすら膨張し続けているだけだ」
「この銀河全体に」
「そして霊帝と十二支族だけが栄えている」
これはバルマーが封建制であるがこそ起こることだった。
「そしてその力も衰微してきている」
「だとすると」
「このままではバルマーはかえって滅ぶ」
そのことを危惧しているのである。
「だからだ。ここは」
「ここは」
「私は御前と共に戦いそして」
「バルマーもまた」
「救う」
はっきりと言った。そのうえで立ち上がりであった。
「ではマーズよ、今からだ」
「うん、今から」
「私の命は御前に預けた」
こうまで言うのであった。
「そして共に戦おう」
「俺もだ」
タケルもだった。澄んだ目でマーグに告げるのだった。
「俺も兄さんと共に」
「戦うのだな」
「俺の故国は地球だ」
この認識は変わらないのだった。
「だが。兄さんがそうするというのなら」
「共に戦ってくれるのだな」
「行こう、兄さん」
澄んだ目はそのままだった。
「一緒に」
「うむ、これからは何があろうともだ」
「俺達は一緒なんだ」
両手で握手をしてで、であった。そのうえでクレバスを出る。二人の戦いが今はじまった。
だが。そこに待っていたのは。ロゼのゼーロンだった。
「あれは!?」
「ロゼ!?」
「マーグ司令!」
そのロゼが言ってきた。
「お助けに参りました!」
「馬鹿な、撤退しなかったのか!?」
「既に軍は退かせました」
その言葉は偽りではなかった。確かにもう軍はいなかった。一方にロンド=ベルがいるだけだ。
「ですが私は今」
「君だけで来たというのか」
「早くお乗り下さい」
切実な顔で彼に継げた。
「どうか。今すぐに」
「いや、それは」
言おうとした。しかしであった。
「貴様!そこをどけ!」
ロゼは今度はタケルに対して告げた。
「司令から離れろ!」
「くっ!」
タケルに向けてビームを放ってきた。彼はかろうじてかわす。
「ビームを」
「離れなければ命はない」
完全に彼がマーグを捕虜にしていると思っていた。
「だからこそ。私は」
「馬鹿な、止めるんだ!」
マーグは彼女が弟の命を狙っていると見て咄嗟に叫んだ。
「私はもう」
「マーグ司令、どいて下さい!」
あくまで彼を救おうとするロゼだった。
「さもないと巻き添えに」
「止めろ!」
なおも言うマーグだった。
「止めるんだ!マーズは私の」
「司令から離れろ!」
こう叫んで、であった。
「さもなければ!」
「くっ、マーズ!」
そのマーズの前に出た。そこにゼーロンからビームが放たれた。
「えっ!?」
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