第三次篇最終部第一幕 取り戻された絆
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「外に出た!?」
「そのうえでか!」
「ゴッドマーズじゃラチが明かない!」
「それならだ!」
互いに生身で決着をつけようと考えたのだ。二人同時にである。
「これで!」
「終わらせる!」
互いに空中で超能力を出し合った。衝撃波と衝撃波がぶつかり合う。
その後でそれぞれ着地してだ。また衝撃波を出し合う。しかしそれでも決着はつかない。
戦いは既にロンド=ベルに有利となっていた。だが戦いは実質的に最早二人の闘いであった。
「凄い・・・・・・」
「あれは超能力と超能力の戦い」
「本当の」
誰もが二人のその闘いを見て呆然となっていた。
「何て凄まじい」
「冥王星が壊れてしまいそうな」
「けれどその先には」
「ええ、絶対に」
「間違いないわ」
それを言う彼等だった。まさに確信していた。
「何があっても」
「お兄さんを」
「そうしてくれる」
ケンジは安心した顔でその闘いを見ていた。
「タケルならな」
「ああ、それはな」
「間違いなくね」
ナオトとアキラも彼を信じていた。
「やってくれるさ」
「何があっても」
「そうね」
ミカもであった。じっと闘いを見続けて言うのだった。
「タケルならきっと」
「兄ちゃん、待ってるよ」
ナミダも完全に信じていた。
「きっとだからね」
そしてであった。タケルは今。
一旦マーグから間合いを離してであった。そのうえで。
「これで!」
「むっ!?」
「終わらせる!」
こう言ってであった。両腕を交差させて衝撃波を放つ。それで、であった。
マーグを撃つ。だがマーグはそれを身体を左に捻ってかわしたのだった。
「これで!」
「何っ、今の攻撃を!」
「この程度ならどうということはない!」
攻撃をかわしたうえでの言葉である。
そうしてであった。そのまま態勢を戻して反撃に転じようとする。しかしだった。
「なっ!?」
「兄さん!?」
何とその足元にクレバスがあったのである。そこに足を踏み外してしまった。
「し、しまった!」
「危ない!」
兄がその中に落ちようとしているのを見てだ。タケルは慌てて前に出た。
そして兄の手を掴んで引き寄せようとする。だがそれは間に合わなかった。
「くっ!」
「兄さん!」
マーグだけではなかった。タケルもまたクレバスに落ちようとする。しかしそこに宙が駆けて来てである。そのうえで彼を慌てて後ろから抱き止めたのだ。
「タケル!」
「宙か」
「大丈夫か?」
タケルをクレバスの縁から何とか引き戻して言うのだった。
「危ないところだったな」
「ああ。けれど」
「マーグか」
「兄さんは」
気遣う顔で再びクレバスの中に向かおうとする。そこはまさに無慈悲な獣の口であった。
「あの中に落ちたら」
「確かめてみるつもりか?」
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