第百八十二話 金星での決戦
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」
タケルが言った。
「兄さんと遂に」
「決着をつけることになるね」
万丈は今度は彼に話した。
「君もだけれど」
「わかっているさ」
それはもう言うまでもなかった。
「俺は何があっても兄さんを」
「頑張ってね、本当に」
アスカが珍しく切実な声でタケルに告げた。
「タケルさんの気持ちは絶対に伝わってるから」
「うん、だったら」
「絶対にお兄さんは戻って来るわよ」
本当に真剣なアスカであった。
「だからね。諦めないでね」
「わかってるよ。有り難う」
「ええ、だったら」
「しかし。アスカって」
シンジはそんな彼女を見ながら言うのだった。
「一矢さんもそうだけれどタケルさんには心から応援するよね」
「応援しないでいられないわよ」
そうだというのである。
「ここまで凄いの見せてもらったら」
「確かにね。それはね」
「立派よ」
レイも言うのであった。
「二人共」
「一矢さんもタケルさんも立派よ」
アスカはまた言った。
「それこそ眩しい位にね」
「あそこまで普通はできません」
ルリも言うのだった。
「御二人程には」
「一矢さん、本当にエリカさんを救い出したしね」
「だからタケルさんも絶対によ」
アスカはそのことを強く信じていた。
「やってくれるからね」
「その通りです。それでは」
ルリも応えた。
「まずはゲストとの決着を」
「それは何でもないわ」
レイは至極冷静であった。
「これからのことに比べたら」
「何でもないんだ」
「一人だから」
だからだというのだった。
「相手にするのは」
「一人」
「その人を倒せば終わりだから」
シンジにいつもの調子で返す。
「それだけだから」
「そうなんだ。それじゃあ」
「行きましょう」
レイが皆に告げた。
「その戦いね」
「要するにあれね」
アスカも何でもないといった口調だった。
「裸の王様をやっつけるだけよ」
「そうやな。あいつはどう見たってそれや」
トウジもアスカのその言葉に賛成して頷いた。
「何てことはないわ」
「けれど何か凄い兵器なんでしょ?」
「そのバラン=シュナイルってさ」
ヒカリとケイスケはその兵器について言う。少し危惧する顔になっている。
「油断していたら」
「まずいんじゃないかな」
「兵器を動かすのは人だぜ」
しかしその二人にイルムが笑って告げた。
「そういうことさ」
「人、じゃあ」
「結局は」
「見ていな、どんな手強いマシンでもだ」
イルムの顔の笑みは不敵なものになっていた。その笑みで語るのである。
「一撃で終わるさ。今度の戦いはな」
「一撃ですか」
「本当に」
「ああ、それだけで充分だ」
こう言ったうえで金星での最後の戦いに向かう。その一撃で終わる戦いにである。
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