第百八十話 ゲストとインスペクター
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がまた言ってきた。
「確か前に」
「そうだ。先に地球に手を出してきたよな」
マサキも言う。
「南極でよ」
「グランゾンのあれか」
「ああ、それだ」
「よく知ってるな。あれはな」
「あれは。何だ?」
「あれがきっかけだったな」
こう言うメキボスだった。
「確かにな。あれはうちにとってはな」
「どうだったっていうんだい?」
「痛かった」
こう万丈に述べた。
「それで今俺達は戦力のかなりの部分を失った」
「そうだね」
「ところがあいつはな」
「そのゼゼーナンだよな」
「つまりは」
「そう、バルマーとの戦いに負けても戦力を補充してきた」
そうだというのである。
「今はだ」
「そうか。今は」
「奴等が」
「何かそっちも」
「随分とゴタゴタしてるのね」
「それは否定しないさ」
もっと言えば否定できなかった。
「実際な。俺達もな」
「しかし」
今度は竜馬が言ってきた。
「何でそうゲストとインスペクターは仲が悪いんだ?」
「対立してるってことか」
「そうだ。同じ文明でだ」
「おいおい、何を言ってるんだ」
今の竜馬の言葉に笑って返すメキボスだった。
「本気で言ってるのかよ」
「本気だと?」
「だとしたらおめでたいとか言い様がないぜ」
苦笑いと共の言葉だった。
「それじゃあな」
「どういうことなんだ、それは」
「あんた達だってそうじゃないか」
彼等をさしての言葉だった。
「遠方やら色々別れて戦ってたな」
「それか」
「そうさ。そういうことさ」
まさにその通りだというのであった。
「生き物が三匹揃えばそれで派閥ができる」
「そうだな」
隼人もその通りだと頷いた。
「それはな」
「それが生き物さ。ただしな」
「ただし?」
「まだ何かが」
「ゼゼーナンのやり方は滅茶苦茶なんだよ」
それだというのである。
「ゲストの本国でもあいつへの批判は多い」
「つまり人望がないのか」
「所詮は門閥だけであがってきた奴だ」
クワトロに対して素っ気無く返した。
「実力なんてのはな」
「ないのだな」
「ああ、それで力は何もないんだよ」
ゼゼーナンに対してはあくまで酷評であった。
「所詮はな」
「そうか。その程度か」
「しかもあいつは偏見の塊だ。それは」
「よくわかってるさ」
「それはね」
それもわかっているというのである。ロンド=ベルの面々もだ。
「あんな嫌な奴は見たことねえぜ」
「全くよ」
「そういうことさ。ゲストでもそう批判が出ているんだよ」
「拠点でもそうなのか」
「相当人望ないのね」
「それでだ」
さらに言うメキボスだった。
「枢密院としてもあいつを放っておくわけにはいかなくなった」
「それでか」
「あんたがってことね」
「そうさ。こ
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