第百七十九話 特異点崩壊
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られましたか」
「一応はな」
そうだというのである。
「あれを何故君が持っているのだ?」
「さて」
しかしその問いにはシュウは答えようとしない。
「御自身で考えられてはどうでしょうか」
「ふん、私を試そうというのか」
「どうでしょうか」
「あれは特異点のフェイズシフト理論の解説図だ」
「特異点!?」
「何だそれ」
ロンド=ベルの面々にはわからない話だった。
「また訳のわからない言葉が出て来たわね」
「全く」
「つまり君のそのグランゾンの」
「ネオ=グランゾンです」
「同じことだ」
それは同じこととしたのである。
「とにかくだ。その心臓部の理論だ」
それだというのである。
「それを説明したものだな」
「その通りです」
「君はあれを何処で手に入れたのだ?」
彼が問うのはこのことだった。
「あの部分は完全にブラックボックス化していた」
「ブラックボックス!?何だそりゃ」
「そうよね、何なのそれって」
勝平だけでなく恵子も首を捻った。
「何か訳わからねえ話だよな」
「そうね。何なのよって話」
「ああ、技術を秘密にしておいて入れておくんだよ」
その二人に宇宙太が説明する。
「簡単に言えばな」
「へえ、そんなのか」
「そういうのなの」
「地球の兵器でもあった話だ」
こう説明するのである。
「しかし。あのネオ=グランゾンにもそんなものがあったのか」
「何か謎だらけだったんだがな」
マサキがここで言った。
「前からあのマシンはな」
「内部を調べることは不可能だった筈だ」
ゼゼーナンは言葉を続けていた。
「君はまさか」
「まさかとは?」
「独自であの理論に到達できた訳ではあるまい」
ゼゼーナンはこう述べた。
「君達地球人の科学力ではあれを解明するには」
「どうだというのです?」
「最低あと二百年はかかる筈」
彼はこう考えていたのだ。
「その筈だ」
「どうも貴方達はです」
シュウはその彼に言い返した。
「自分達以外は無知な存在と思っているようですね」
「バルマーも所詮そうだがな」
「あの程度の理論ならばです」
ここでまた言うシュウだった。
「解明に大した時間はかかりませんでしたよ」
「するとだ」
ゼゼーナンはその言葉にさらに入った。
「独自にあの理論に到達したというのか?」
「そうお考えになられるのですね」
「有り得ないことだ」
それはすぐに完全に否定したのだった。
「地球人程度にあれが理解できるものか」
「何かこいつ」
「そうよね」
「何かむかつくけれど」
「それもかなり」
ロンド=ベルの面々は次第に彼に怒りを覚えてきていた。
「どうもな」
「何なのよ、偉そうに」
「それではです」
ここでシュウはロンド=ベルの面々に顔を向けてき
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