第百七十三話 グラドス撤退
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第百七十三話 グラドス撤退
「マーグ様、グラドス軍ですが」
「聞いているよ」
こうロゼに返すマーグだった。今度は司令室の中で話をしている。
「ロンド=ベルだけではなくだね」
「はい、ゲスト、インスペクター両軍にもです」
攻撃を受けたことを話すのである。
「その損害はです」
「あと一度かな」
ここでこう言ったマーグだった。
「戦えるのは」
「では次の戦いに敗れたら」
「休養を進めよう」
そうするというのである。
「今はね」
「わかりました、それでは」
「さて、それからだけれど」
既にグラドスの敗北を見越している言葉であった。
「まずはね」
「まずは」
「様子を見よう」
そうするというのである。
「ゲストも遂に敵の総司令官が地球圏に来たようだし」
「ティニクエット=ゼゼーナンですか」
「そう、彼がね」
まさにその彼だというのである。
「来たようだからね」
「では今は我等は」
「グラドス軍は崩壊したなら動かない」
はっきりと言い切った。
「それでいいね」
「はい、それでは」
「それよりも」
そしてさらに言うマーグだった。
「これからのことだけれど」
「これからですか」
「我が軍のこの七個艦隊の戦力を全てホワイトスターに集結させよう」
「全てをですか」
「そう、今も集めているけれど銀河辺境の防衛戦力も全てだ」
そうしたものもだというのだ。
「全て集結させよう」
「ではその全ての戦力で」
ロゼはマーグの考えがすぐにわかった。
「地球をなのですね」
「そう。それでどうかな」
「かなり危険な賭けです」
それはロゼには否定できなかった。
「極めて」
「わかっているよ、それは」
言うまでもないといった今のマーグの言葉だ。
「それでもだよ」
「今は地球をですか」
「その後のことはどうとでもなるからね」
「例えその間に何かがあったとしても」
「そう、十分に取り返せる」
彼は言うのだった。
「だからこそ今は」
「あらゆる戦力をこのホワイトスターに」
「そのうえでロンド=ベルと雌雄を決する」
それが彼の考えだった。
「そうしよう」
「わかりました、それでは」
ロゼも彼の今の言葉に頷いたのだった。
「その様に」
「うん。ではロゼ」
「はい」
「各艦隊の司令達を集めておいてくれ」
この指示も出すのだった。
「今後のことについて話しておきたい」
「わかりました。それでは」
こうしてであった。マーグはこれからのことを考えていた。既にグラドス軍には見切りをつけそのうえで考えているのであった。
そのグラドス軍を退けたロンド=ベルは今は平穏だった。その平穏の中で敵の動きを見ていたのである。
「グラドス軍の動向はわから
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