第百七十二話 忌み嫌われる者達
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葉に頷いていた。
「あの者達にはかつて多くの同胞達を殺されている」
「野蛮人とか言ってくれてな」
とかく各地でそうしたことを繰り返している彼等だった。
「その仇でもある」
「そういうことだな」
彼等もまたグラドスに怨みと嫌悪を抱いていた。だからであった。
そのまま攻撃を仕掛ける。容赦ない攻撃をだ。
グラドス軍は三方から攻撃を受けていく。それでだった。
彼等はその数を大きく減らしていく。とりわけロンド=ベルの攻撃が激しかった。
「こいつ等だけはだ!」
「倒す!」
「許さないわよ!」
「ひ、ひいいいっ!」
「命だけは!」
「ふざけるな!」
今彼等に叫んだのはマシュマーだった。
「御前達はそう言って命乞いをする武器を持たない者達を助けたことがあるか!」
「な、何っ!」
「それは!」
「そうだ、ないな!」
それはもうわかっていたマシュマーだった。
「だからだ、このマシュマー=セロ!」
彼等の前に立っての言葉である。
「ここで貴様等を成敗する!」
「う、うわああああああ!」
彼もまた次々に彼等を葬っていく。まさに鬼神であった。
そのマシュマーにだ。ゴットンが声をかけてきた。
「あの、マシュマー様」
「どうした、ゴットン」
「また凄く熱くなってますけれど」
「ゴットン、わかっている筈だ」
その彼に対して告げた言葉だった。
「私が戦うのはだ」
「あくまで武器を持っている相手だけですね」
「そうだ、それだけだ」
これがマシュマー=セロという男だった。
「武器を持たない者に振るう剣はない」
「じゃあグラドス人は」
「許せん!」
これもなのだった。
「絶対にだ!」
「はい、それじゃあ」
「倒す!」
言葉は強かった。
「何があろうともだ!」
「わかりましたよ、それじゃあ」
「わかっただと?」
「ええ、わかりましたよ」
微笑んでマシュマーに言ってきたのである。
「そういうことならですね」
「一体何をわかったというのだ?」
「私はずっとマシュマー様と一緒にいたじゃないですか」
「それはそうだが」
「ですからそれでなんですよ」
こう言うのである。
「マシュマー様の御考えがですよ」
「ではどうするというのだ?」
「私もですね。こういう手合いは嫌いなんですよ」
「グラドスはか」
「仮にも軍人ですから」
彼にもその誇りはあるのだった。
「ですから。一般市民を攻撃するような連中はね」
「許せぬのだな」
「そういうことです。じゃあマシュマー様」
「うむ、ゴットン」
「やってやりましょう」
ゴットンからの言葉であった。
「一気に」
「そうだ。それではだ」
こうして彼等も派手に攻撃を仕掛けるのだった。
グラドス軍は最早戦力と呼べる状況ですらなくなっていた。
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