第百六十六話 荒ぶる剣
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如何にも」
その通りだという。
「だからこそ我は貴様にあの技を出したのだ」
「雲耀の太刀をか」
「あの技、破れる者はない」
まさに必殺の技だというのである。
「それを出したのだ」
「わかった」
それを聞いて頷くヴォータンだった。
「それではだ」
「うむ」
「さらばだ」
彼は最後に言った。
「誇り高き戦士よ」
ヴォータンのスクールゲルミルが炎に包まれ爆発した。こうして二人の戦いも終わった。そしてその頃には戦局も決定していた。
「ヴォータンが倒れ」
レモンはその戦局を見ながら述べた。
「戦力も八割が倒された」
彼女達にとって絶望的な状況である。
「ならばだ。致し方ない」
こう決断を下して撤退した。フィンランドの戦いもこれで終わった。
ロンド=ベルはこの戦いにも勝利を収めた。これは非常に大きな意味も持っていた。
「遂にだな」
「ああ」
「あいつを倒したんだ」
皆ゼンガーを見ながら言うのだった。
「少佐は遂に」
「御自身で」
「見事な戦士だった」
ゼンガーは今もカrネイ対して言うのだった。
「その剣、確かに見た」
「そうですか」
「その剣を」
「そしてその心もだ」
それも見たというのだ。
「見せてもらった」
「では少佐」
「あの男は」
「まだ生きている」
こう言うのだった。
「俺の中でだ」
「そうですか。少佐の中で」
「生きているんですね」
「その通りだ。それではだ」
「はい」
「帰還ですね」
彼等はゼンガーが何を言いたいのか察した。
「キールへ」
「それですね」
「その通りだ。帰るぞ」
また彼等に告げるのだった。
「いいな、それではだ」
「はい、じゃあ」
「帰りましょう」
こうして彼等はキールに戻った。戦いに勝利を収めたことを感じながら。
キールに戻ると。そこはいつもと変わらなかった。
港もそこにいる連邦軍もだ。何も変わらない。
「じゃあまた」
「休むか」
「そうだな」
彼等はすぐに休息に入ることにしたのだ。
「次の戦いまでな」
「どうせすぐでしょうけれど」
「それは間違いない」
アクセルがその彼等に告げた。
「そしておそらくはだ」
「おそらくは?」
「何があるの?」
「シャドウミラーとの戦いは次で決まる」
こう言うのだった。
「次でだ」
「次でって」
「まさか」
「アーチボルトもイーグレット達も倒れた」
アクセルはいぶかしむ仲間達にその根拠を話してみせた。
「そしてだ。今」
「ヴォータン=ユミルもまた」
「それで、ですか」
「そうだ。エキドナももういない」
彼女のことは忘れていなかった。
「それならばだ。後はだ」
「レモンしかいない」
「そしてヴィンデル=マウザーと」
「決戦しかないのだ」
また言
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