第百十三話 評定その一
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第百十三話 評定
信長は主だった家臣達を前にしていた。そのうえで彼等に対してそれぞれ告げていた。
まずは柴田と佐久間の武の二枚看板にこう告げた。
「という訳でじゃ」
「それがし達は二十万石ですか」
「それだけ頂けますか」
「これまでの武勲見事であった」
だからこそだというのだ。
「そして官位も授けよう」
「ううむ、この前ようやく美濃を手に入れたと思ったいましたが」
「我等もそれだけの者を頂けるとは」
「当然じゃ。御主達は当然の働きをしてきた」
信長は彼等への二十万石は当然としていた。
「ではこれからもじゃ」
「はい、織田家の為に精進します」
「そうさせて頂きます」
「頼むぞ。爺と新五郎達も大身になったのう」
「それがしも驚いておりまする」
今度は林が唸る様に述べる。
「いや、まことに十五万石でございますか」
「そうじゃ」
「一万石でもかなりですが」
「今当家は七百六十万石じゃ」
それだけあるならばだというのだ。
「御主の功績で十五万石もじゃ」
「しかしそれがしは戦の場では」
林は自分で柴田、佐久間程の武勲は挙げていないと言う。
「十五万石程n働きはとても」
「政じゃ」
「それでございますか」
「そうじゃ、政じゃ」
林の功績はそこにあるというのだ。
「朝廷の使者なり田畑に町に堤と働いてくれておるではないか」
「それは当然のことでございますが」
「それを誇らぬところもまたよし」
信長は林にこうも告げる。
「だからこそじゃ」
「だからこその十五万石でありますか」
「これからも励むがいい」
そうすればより大きな石高にもなるとも言うのだった。
「よいな」
「わかりました。それでは」
「爺もじゃ」
平手に言うのも忘れない。
「十五万石じゃ。席次はこれまで通り家臣団の筆頭じゃ」
「左様でございますか」
「石高こそ権六、牛助には及ばぬ」
柴田達は二十万石で平手は十五万石、五万石の開きがそこにあった。
だがそれでもだというのだ。
「しかし爺は家臣団の筆頭、それに官位でもじゃ」
「それがしが第一でございますか」
「わし、勘十郎に次ぐ官位が朝廷より贈られる」
既にその様に話は進んでいるというのだ。
「よいな、それではじゃ」
「はい、さすればこれからも精進致します」
「やはり留守役は爺か勘十郎じゃ」
織田家の過信は多いがその中でも留守を預けられる者は限られている、平手こそはその一人だというのである。
「では頼むぞ」
「畏まりました」
「ではじゃ」
信長はまた言う。
「その他の者達もじゃ」
「いや、まさかそれがし達までとは」
「万石取りになるとは」
「思いも寄りませんでした」
「ついこ
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