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戦国異伝
第百十三話 評定その一
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の前まで千石で喜んでいましたが」
「それが五万だの何なのと」
「嘘みたいですな」
 前田や生駒達が言う。彼等もまた信長に万石を与えられたのだ。
 美濃を手に入れた時点で万石取りなぞいなかった。美濃平定の賽の評定直前に上洛となり落ち着く間もなく三好、長宗我部との戦になったせいもあり織田家では美濃平定の時点で万石取りなぞいなかった。精々柴田等が五千石で美濃平定でいよいよ三万石かと言われていたのだ。
 だがそれが一気に二十万石だのになった。母衣衆や奉行衆、それに美濃四人衆もまた堂々たる万石取りになった。織田家七百六十万石のうち三百六十万石が家臣達に当てられた。そこには一門衆も入っている。
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