第一物語・後半-日来独立編-
第二十一章 変化の始まり《1》
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と」
今度は中指を立て、
「そして二つ、辰ノ大花の協力を得る」
更に薬指を立てて、
「最後に三つ。それは日来独立を果たし、崩壊進行を食い止めるため世界を渡り歩くことで、俺達が世界を変えることだ!」
この声に日来が吠えた。住民達が声を出し、ものを叩き、日来の地に音を響かせた。
会議場も同じだ。声を上げ、セーランの意志に答え支持している。
これが示しのはただ一つ。
「日来が独立を望んでいる……?」
飛豊は疑問を口にした。この空気に圧倒され意思が追い付いていない。鼓動が早く、強く動いてるのが解る。
こんな状況の飛豊にセーランの声が飛んだ。
「ああ、そうだよ。まだ独立に反対の奴らがいると思うが、宇天の長を救うまで付き合ってもらうつもりだ」
「だけどこの状況でどうやって日来を動かすんだい?」
言うのはレヴァーシンクだ。自身の映画面を操作しながら、今のこの状況でどうするかと問うた。
「日来は今こんな状態なんだよ?」
言葉と同時に新たな映画面を表示する。そこに映されるのは簡略化された日来の地と、赤の四角が動きながら映っている。
赤の正方形はワイバーン級戦闘艦を表し、日来のほぼ中央に横型車輪陣を組み、その円が回っている。赤の長方形はドラゴン級戦闘艦を表し、一つはこの会議場に、もう二つは不規則に空を航行している。
日来を動かそうにも、これでは動かせない状態だ。
この思考が頭を過るとき、空から再び声が聞こえた。
『こちらの要求を無視するか。ならばこれから黄森は本格的な制圧行動に――』
移る、と言おうとしたとき、ドラゴン級戦闘艦の前に相対するように巨大な、更には日来全土に黒の空間が映る映画面が表示された。
言葉を紡ぐタイミングを失い、黄森の艦はただそれを見ていた。
黄森の様子を見て少し間を置き、後から一人の中年男性の声が聞こえてきた。
『その要求、ちょっと待ってもらえるかい?』
暗闇になかに潜むその声は何処か聞いたことのある声で。
『いやあ、皆頑張ってるねえ』
闇で姿は見えず、映る空間の周りには光が漏れているような淡い明かりを放っているだけだった。
聞き覚えのある声だが、すぐにはその人物を記憶のなかから引き出すことは出来ず、引き出す前に人影が映画面に映るように近付いてきた。
「あ、学長」
人影がはっきりと映る前に、会議場に突如表示された映画面を見てセーランがその者を指す言葉を吐く。
学長と言う言葉に、殆どの者達は疑問符が頭に浮かぶ。
「が、学長ですの? あ、あの方が?」
混乱している思考を無理に動かし、ネフィアはセーランに問うた。
皆が答えを求めるようにセーランの方を向き、視線を一点に引き受けているセーランは首を立てに振った。
まさか、と思い皆は再び人影が映る映画面を
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