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神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・後半-日来独立編-
第二十一章 変化の始まり《1》
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ん!」
「そ、それもそうだナー」
 拳を握り気合いが入った表情を、下にいる空子に向ける。それに圧倒されてか、空子は後ろに半歩仰け反った。
 下を見ていたセーランは面倒になったのか、
「下に行くぞ」
「あ、うん」
 横にいる美琴に確認を取り、後ろの隊員を一目見てから美琴の体を抱いて柵から身を放り投げた。
 校舎と殆ど変わらない高さから身体が落ちる。
 既にこんな状況になれてしまった美琴は、セーランの身体にしがみつくだけで叫びはしなかった。
 おお、と下にいる者達が声を出し、二人の落下を見ていた。
 地上から三メートルぐらいになってから、流魔操作を行いセーランの手から出た流魔線を地上に繋げ、それを硬化させ縮小することで地面に足を着けた。
 覇王会側の線上近くに足を着き、美琴をそっと下ろす。
「ありがと」
 一言だけ、美琴は会議場の円内から外の仲間の元へと走って行った。
 下りて来たセーランに視線が向けられるが、気にせずに覇王会のなかに加わる。
「何だよ、そんな他人を見るような視線は」
「お前に騙されるとは、私は無能だということか……」
「気にしないで、無能でもセーランよりかは馬鹿じゃないから」
「おいおいそれは言い過ぎだろ、それに馬鹿っていう設定は今回で最後だぜ」
「灯に演技なんて教わらなくても十分演技出来てると思うのですが……」
「騙し討ちのために決まってんだろ!」
「いや、そんな同然のように言われましても……」
 同然のように発言していたセーランにネフィアは圧倒された。
 少し頬を上げ、飛豊は安心の笑みを漏らす。
 彼が来てくれた安心からか、社交院が敵でなかったからかは自分でも分からない。
 指揮官とその補佐と少しの会話を済ませたセーランは、覇王会隊長であるネフィアの左に軽く飛んで着く。
 身体を社交院の方に向けて、視線に四人の者を捉える。
「間空いちまったな。まあ、俺達覇王会は崩壊の逆。流魔の枯渇が起きる可能性もあると考えた」
「何故そう考える」
 腕を組んだ葉木原が言う。
「アマテラス系加護で他の神の加護と違うのは流魔を生成出来ることだ。神の名を持つ加護はその神の能力を加護化したもので、神社経由で加護を得ることが出来る。ここで一つの疑問が生じる」
「何故、アマテラスが流魔を生成出来る能力を持っているか、か?」
 長を見ている飛豊が答えを言った。
 答えに頷き、言葉を続ける。
「飛豊の言う通りだ。何故アマテラスは流魔の生成の能力を持っているのか? 流魔が存在するこの空間は、使えば流活路から使った分の流魔が放出され、空間のなかの流魔を一定に保つのにも関わらず」
 分かるか?
「つまりは過去に流魔の枯渇が起こったということだ」
 流魔の飽和があるのなら、流魔の枯渇もあると逆のことも考える
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