第一物語・後半-日来独立編-
第二十一章 変化の始まり《1》
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の間に自身の声を入れる。
「ちょっと待ってくれ、何がどういうことなんだ? 上手くいってるだと?」
「すまんな、俺のクラスでこれ知ってんのは美兎と灯だけなんだわ。他だと社交院の連中、一部職員と口の固そうな奴だけ」
「解らんか?」
葉木原が問い掛けてくるが、何がなんやらさっぱりだ。
円の外にいる美兎や灯は、クラスメイトの質問攻めにあっている。
周りも理解出来ず、首を傾げ話を聞くだけだ。
これを確認し、一息入れ葉木原は言う。
「初めから仕組んでた、と言うことだ」
「この会議自体が、元々仕組まれていただと?」
だが、どうして。初めからとは何時からのことを言うのか。
日来は昔から奥州四圏の人形だった。その頃から自分達の先輩達は独立を考えていたと言う。まさか、始めはからとはそのときからだと言うのか。
あり得ない話だ。
昔から今まで、全てのことが仕組まれていたと言うつもりなのか。
確かに日来は独立のための準備をしてきた。そうしなければ日来が終わるのだから。
セーランと葉木原は相性の悪い方だと思っていたが、まさかという展開だ。
「そうだ、元は私達の先輩方が持ち上げた案だった。高等部三年生のときの私達はそれを元に独立の準備をし、三十年後の今まで続けてきた」
「覇王会なのに何で話してくれなかった」
飛豊は顔を上げ、長のセーランに問うた。
美琴を右に、柵に腕を置きながら、
「この会議は黄森の監視の目を向けさせるためのもの。敵を騙すにはまず味方から、話しちゃうとバレる可能性が高まるし。まあ、美兎は長莵神社の子で系術とか加護の準備が必要だから、灯は約束守ってくれるし。
でもこれで皆に伝わったよな、で社交院が覇王会長と繋がっているってことは――」
「私は会議の続きを始めようか、と言ったのだ。勝手に物事を進めるな」
「んあ? 面倒だなあ」
ため息を入れ、下げた顔を上げる。
ドラゴン級戦闘艦はこちらの様子を確認、進行している。速度は遅いが、威嚇射撃用の副砲をこちらに向けている。
例え当たったとしても、人は生まれてすぐ生命守護系加護と呼ばれている加護を無料で受けているので、最悪体の半分が吹き飛ぶ程度だろう。これを意味無いか、意味有りか思うのは個人で違う。
こんななかでも会議は再び開始された。
まずはセーランが行動した。
「なら会議として言わせてもらうけど、俺達覇王会が日来を残す理由がまず一つ」
左の手で人差し指を立て、
「日来はアマテラス系加護を納める万象宗譜|《トータルスコア》を唯一信仰している。世界は今、創生区域の崩壊進行に頭を抱えてる状態だ。だから覇王会はこの逆も考えた」
「これから言おうとしたこと奪いやがったネ」
「長は民衆の支持が大事なの、かっこよく見せなきゃ支持してくれないじゃ
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