GGO編
百十二話 待つ者
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近い!そこなら……
「私、行きます、現実世界の……キリト君の所。だから……」
そうして、アスナは最後に向くべき相手、自分を眩しそうに見上げる、サチの方を見た。
「サチ……一緒に来てくれない?」
「え、え?」
「サチの家なら、近いよね」
「う、うん……」
サチが現在ダイブしている場所。彼女の自宅は、港区、六本木にある。一度行ったことが有るが……まぁ、何と言うか、中々あまりお目にかかれない場所に住んでいた。
「私、さっきサチに教えてもらった。待ってる事、だから……今度は私を見てほしいの。これが、私だって、サチに見てて欲しい。そんなに大したことなんてできないけど……それに」
そこまで言って、アスナは一度息を吸うと、ニコリと微笑んだ。
「サチだって、たまには我慢やめたって良いはずだもん」
「…………」
サチは一瞬、ポカンとした表情で居たが、やがて尋ねるように、苦笑したような顔で首を傾げて問うた。
「……そうかな?」
「そうだよ」
即答する。サチは小さく頷いた。
「……うん、わかった。じゃ、病院で合流しよう?」
「うんっ!!」
「なら、病院にはこっちから連絡しておくよ」
菊岡の言葉にアスナは頷くと、二人は皆に行ってきます。といって、それぞれログアウトした。
────
「…………ふぅ」
二人が居なくなると、クリスハイトは小さく溜息をついた。
と、そこに横から、リズベットが茶々を入れる。
「アンタ、さっきは随分素直に言ってたじゃない。いつもだったらもうちょっと言い訳しそうなもんなのにね」
からかうような口調で言った彼女に、クリスハイトは苦笑する。
「……酷いなぁリズベット君僕だって空気は読めるよ。それに……」
「?」
「知り合いと、いうか、ある人に言われてね。その人によると……」
『人の恋路を邪魔スル奴なんてのはナ、ドラゴンに踏まれて死ねばいいんだヨ』
「なんだそうだ」
肩をすくめてそう言うと、リズは二ヤッと笑って言った。
「大正解ね」
────
「お母さん」
『この番組は、スカイ・エンゼル社と、……ご覧のスポンサーの提供で、お送りいたします』
着がえを終え、部屋からでた美幸は一度、小走りで母親の居るリビングへと向かった。リビングに入ると、大きめのテレビからスポンサーの音声が流れて来る。
リビングの奥には、妙齢の女性が椅子に座ってワインを飲みつつテレビを見ていた、美幸母親こと、麻野真理である。美幸の姿を見止めると、彼女は柔らかく微笑む
「あら美幸、どうしたの?大会の中継、おわったの?」
「あ、うん……その……」
真理には、今日別のゲームの大会に涼人が出場することや、それをみなで見る事は伝えてあった。しかしここまで歪曲してしまった
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