暁 〜小説投稿サイト〜
SAO─戦士達の物語
GGO編
百十二話 待つ者
[9/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

近い!そこなら……

「私、行きます、現実世界の……キリト君の所。だから……」
そうして、アスナは最後に向くべき相手、自分を眩しそうに見上げる、サチの方を見た。

「サチ……一緒に来てくれない?」
「え、え?」
「サチの家なら、近いよね」
「う、うん……」
サチが現在ダイブしている場所。彼女の自宅は、港区、六本木にある。一度行ったことが有るが……まぁ、何と言うか、中々あまりお目にかかれない場所に住んでいた。

「私、さっきサチに教えてもらった。待ってる事、だから……今度は私を見てほしいの。これが、私だって、サチに見てて欲しい。そんなに大したことなんてできないけど……それに」
そこまで言って、アスナは一度息を吸うと、ニコリと微笑んだ。

「サチだって、たまには我慢やめたって良いはずだもん」
「…………」
サチは一瞬、ポカンとした表情で居たが、やがて尋ねるように、苦笑したような顔で首を傾げて問うた。

「……そうかな?」
「そうだよ」
即答する。サチは小さく頷いた。

「……うん、わかった。じゃ、病院で合流しよう?」
「うんっ!!」
「なら、病院にはこっちから連絡しておくよ」
菊岡の言葉にアスナは頷くと、二人は皆に行ってきます。といって、それぞれログアウトした。

────

「…………ふぅ」
二人が居なくなると、クリスハイトは小さく溜息をついた。
と、そこに横から、リズベットが茶々を入れる。

「アンタ、さっきは随分素直に言ってたじゃない。いつもだったらもうちょっと言い訳しそうなもんなのにね」
からかうような口調で言った彼女に、クリスハイトは苦笑する。

「……酷いなぁリズベット君僕だって空気は読めるよ。それに……」
「?」
「知り合いと、いうか、ある人に言われてね。その人によると……」

『人の恋路を邪魔スル奴なんてのはナ、ドラゴンに踏まれて死ねばいいんだヨ』

「なんだそうだ」
肩をすくめてそう言うと、リズは二ヤッと笑って言った。

「大正解ね」

────

「お母さん」
『この番組は、スカイ・エンゼル社と、……ご覧のスポンサーの提供で、お送りいたします』
着がえを終え、部屋からでた美幸は一度、小走りで母親の居るリビングへと向かった。リビングに入ると、大きめのテレビからスポンサーの音声が流れて来る。
リビングの奥には、妙齢の女性が椅子に座ってワインを飲みつつテレビを見ていた、美幸母親こと、麻野真理である。美幸の姿を見止めると、彼女は柔らかく微笑む

「あら美幸、どうしたの?大会の中継、おわったの?」
「あ、うん……その……」
真理には、今日別のゲームの大会に涼人が出場することや、それをみなで見る事は伝えてあった。しかしここまで歪曲してしまった
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ