SAO:アインクラッド〜神話の勇者と獣の王者〜
エピローグ〜大好きです〜
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ごごごごごご…………
アインクラッドが崩壊を始める。次々と、プレイヤーたちが転送され始める。やっと……やっと現実世界に帰れるんだ。
残されたのは、清文と、秋也と、コハクだけだった。
「―――秋也」
「清文。俺は……兄さんの、力になりたかった。こんな、できそこないの俺でも、兄さんの力になれるって、証明したかった」
そういう秋也の目じりに、光るものがあった。
「秋也……秋也。お前は、できそこないなんかじゃない。お前は、一人しかいないんだ。お前がいるって時点で、お前は唯一無二の存在。陰斗がよく言ってただろ、《唯一無二》は至高だって。誰だって、存在するだけで誰かの力になれるんだ。……俺だって、お前がいてくれて、うれしかったぜ。10年間、ありがとう―――なあ、覚えてるか。小学校の入学式の時の事」
「ああ……覚えてるよ」
秋也は、そのころから何か切羽詰ったような感じだった。その秋也に、最初に声をかけたのが、清文だった。
「ここにシャノンは……陰斗はいないけどさ―――――俺達は、友達だよ。仲間だよ」
「……ありがとう。清文。お前が、俺の親友で……俺と戦う勇者で、本当によかった。……そうだ。勇者は、最後には……姫君と――――コハク」
「え?」
秋也はシステムウィンドウを操作すると、もう一度言った。
「コハク。お前たち二人のログアウト時間を数分間遅らせた。この層が崩壊するまでだ。どうせ、ちょっとしか言ってないんだろ?それまでに―――」
「……あ、ありがとう」
「???」
困惑する清文と、顔を真っ赤にしてうつむいたコハクに、もう一度笑いかけると、秋也はログアウトしていった。
*
「え〜っと……コハク?」
「……セモン。セモンは、覚えてないよね。私たちが初めて会った時の事」
「え?13層の迷宮区で会った時の事か?」
あの時は、コハクが槍使いのくせにソロで戦ってて、それで三人で助太刀して……。
しかし、コハクは首を振った。
「違うよ。もっと前。……小学校、二年生の時。いじめられてた私を、あなたが、助けてくれた。『助けてなんて言ってない』って私は言ったけど、『うまくいったから、いいじゃないか』ってあなたは言ったよね」
「ああ…………」
そうだ。そうだった。あの時。コハクはあの時の……あの時の、女の子だったのか。
あの出来事は、ずっとセモンの心の奥に残っていた。何処かで、彼の事を支えていた。
「私は、あの時からあなたが好きだった。あなたの事、いろいろ調べて……SAOで、あなたに出逢えた時……うれしかった。……セモン。ううん。栗原、清文(きよ
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