§44 大惨事超神様大戦〜終焉の世界へ〜
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来ないだろう。護堂はヴォバンを抑えている。パンドラは戦力外。酒呑童子は死亡。救援の期待は出来そうにない。
「破魔の王よいつまで保つかね!?」
光速を超える速度で得物を振るう斉天大聖。信じられないことに未だに加速を続けるその速度は、そろそろ黎斗の反応速度を超えようとして――
「調子に乗るな妖怪猿と妖怪人間!!」
地獄の紅蓮に吹き飛ばされる。三昧真火が、大地を悉く舐めつくす。
「ガアアアアアア!!」
もがき苦しむ斉天大聖に三尖刀が一閃。それだけで「あの」斉天大聖の首が飛ぶ。――もっとも、新たな首が生えてきたが。
「おぬしも復活したか、若造!!」
嬉しそうな斉天大聖の声を聞いて、三つ目の美青年は苦々しそうな顔をしつつも三尖刀を優雅に回す。
「貴様に対する封印に、私を組み込んだ輩達への報復は後回しだ。まずは貴様を。そして忌々しい妖怪人間を叩いてからだ!!」
青年の視線の先は三昧真火の中。そこに、一人の影が現れる。彼の周囲から炎が徐々に消えていく。邪眼による呪術の無効化だ。影の主、黎斗は空を見上げ絶望する。
「うっそ。おまえまで来たのかよ……」
かつて交戦したことのある神。黎斗が破滅の呪鎖で捕えたところを葡萄酒の誘惑を用いて須佐之男命が何かすることで無力化、支配し斉天大聖に対する抑止力として封印に組み込んだまつろわぬ神。
「だからまつろわぬ神を封印に直接組み込むのは危険だっつったのにあのあほんだら!! だから言わんこっちゃないんだよ!!」
「煩い黙れ」
喚き散らす彼を視界に入れずに、左腕を振るう三つ目の武神。衝撃波が瓦礫を砕き、散弾銃となって黎斗を襲う。
「この程度、黎斗が出張るまでもねぇ」
転移でもしたのだろうか、白衣の青年が黎斗の隣に現れる。早口で何かを紡ぐと、襲いくる石礫の悉くが発火し燃え尽きる。
「まぁ、こんなもんだろ。あ、カミサマの相手なんてやってらんないんでやつらは任せる!」
「簡単に言ってくれるよもう……」
項垂れる黎斗に対して眼前の神の放つ殺気は尋常なものではない。封印されたのだから当然か。
「妖怪猿と一緒に始末してくれる」
戦で使うのが勿体ない、と思えるほどの鎧。くどくない程度に、しかし戦場のだれもが見惚れるような、美しい鎧。だがその鎧はただ華美なだけではない。それを纏う者が傷一つ負わぬように、身を守るという本来の役目を十二分に果たせるであろう頑強さを保ち。得物は己の背丈をも超える長さ。如意棒に勝るとも劣らぬ立派なつくり。先端に備え付けられた刃が光を反射しきらり、と輝いた。端正な顔の額に、三つ目の眼。美青年なだけでなく、体格もがっしりとしてひきしまり、まさに偉丈夫と
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