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ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■SAO編 主人公:マルバ■■
壊れゆく世界◆ユイ――MHCP001
第四十話 今度こそ、違うよって
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て誰にだって起こりえる病気なんだから。むしろ、僕は君にお礼を言わなきゃ」
「礼……だってッ?」
「うん、お礼。僕は君のおかげでここにこれた。みんなに会えたのは君のおかげ。君がいてくれたから、僕たちはいまここにいるんだ」
「俺のおかげ……なわけ、ねぇだろ! おかげ(、、、)じゃねぇ、俺のせい(、、)だ!! お前だって、普通に現実世界で暮らしてた方が良いに決まってんだからよ!」

 マルバは首を横に振った。
「そんなことないね。君がいなければ僕はシリカと出会えなかった。君がいなければ、僕は葵との仲を再確認できなかった。君がいなければ……君にこうして出会うこともなかったんだ。だから、僕は君を恨んでなんかいない」
 ……今度こそ(、、、、)、マルバは床に膝をつけたままのミズキの目を真正面から見つめ、言葉を紡ぎだした。
違うよ(、、、)。僕は君のせいで事故に遭ったんじゃない。それにあの事故は僕にとって不幸なんかじゃなかったんだ。僕はこんなにも温かい仲間に囲まれて、ここにいる。ここに、生きている。それだけで感謝に値するから。だから……ありがとう、ミズキ」

 それは、彼がかつて葵に言おうと思って言えなかった言葉。その言葉はナーヴギアを通して、本来ならなんの言葉も聞こえないはずの瑞樹の脳に、しかと届いた。

「ありがとう……なんて、言うな……! 礼を言うのは俺の方だ……ッ!! こんな俺を……受け入れてくれて……ッ!! 俺は……ッ! 俺はあッ!! うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉォォッ!!!!」

 ミズキが突然叫びながらマルバに抱きついてきた。マルバは慌ててミズキを抱きとめるも、そのまま椅子ごとひっくり返る。二人は頭から地面に落ちた。マルバは楽しそうに笑い、ミズキも泣きながら声を上げて笑った。



 ひとしきり笑いあった後。再び恥ずかしそうに笑いながら、ミズキはマルバから離れ、アイリアの横に再び腰掛けた。
「お前の兄貴、いいやつだな」
「そうでしょ? 自慢のお兄ちゃんなんだから。ちょっと抜けてるけどね」
「葵、ちょっと酷いよそれ……僕傷ついちゃうな」

 雰囲気が和んだその時、ユイが恐る恐るといった様子で口を開いた。
「あのー、ちょっといいですか」
「なんだぁ、ユイ坊?」
「ゆ、ユイ坊ってなんですか! ってそうじゃなくてですね。おじちゃんのナーヴギアの脳波計にα波を検出しました。今までずっと出ていなかった脳波です。リラックスした時に出るものですね」
「おぉ? そりゃどういう意味だ?」
「わずかに脳の状態が改善されているということです。海馬はやはり著しく損傷を受けているようですので、恐らく記憶障害が治ることはないと思いますが、もしかしたらある程度は改善される可能性もあります」
「おお! 朗報だな」
「ミ
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