第一章 無印編
第二十二話 『外伝3 夜の一族とシホ、真実を語る時(後編)』
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です。
私は自分のエゴでたくさんの血を浴びすぎた…こんな私がやっぱり幸せを目指すなんて………。
それに今はこんな姿ですがもとは男性だったなんて、気持悪いですよね…?」
そういってシホちゃんは自虐的に顔を歪めた。
その表情からはとても深い後悔や悲しみがこもったような、そんな表情だ。
「そんなことないよ!」
しかし、そこですずかちゃんが涙ながらに大声を上げた。
「シホちゃん! もとがどうであっても私はシホちゃんの事を気持ち悪いなんて思わないよ!
…それに過去はもう取り戻せないけど、もう一度やり直すチャンスをお姉さんにもらったんでしょ!?
だったら精一杯お姉さんの分も生きなきゃ…!」
「あ…」
それはシホちゃんと初めて会話した時の蒸し返しの様な光景だった。
シホちゃんはそれでまた目を大きく開いてその瞳からいくつもの雫を垂らしだした。
「いいのかな…? 前も、いいましたけど…幸せを目指して、いいのかな?」
「いいのよ…それにもうシホちゃんは私達の家族じゃない…? 遠慮はすることはないって前に言わなかった?」
「桃子…お母さん…」
「もうシホちゃんは吐き出すものは吐き出した…それでも私は、私達はシホちゃんを決して見放さない…それが『家族』というものよ。血の繋がりがなかろうと関係ないわ」
桃子がそう言った瞬間、シホちゃんはまた普段見せないくらいの泣き顔になり桃子の胸で泣き出した…。
他のみんなもシホちゃんを暖かい目で見守っている。私もだが。
やはりシホちゃんはとても優しい子だという事。
ただ…周りがシホちゃんの“運命”を変えてしまった。
だからまたシホちゃんが危ない道を歩んでいかないようにずっと見守っていこう。
そう…私達の仲で誓いが立てられた。
◆◇―――――――――◇◆
同時刻、高町家でリンカーコアでシホと繋がっているフィアットは精神リンクでシホの真実を偶然ではあるが聞いてしまった。
そしてその晩、一人涙し、
(私も、お姉様の幸せの為に頑張ろう…)
フィアットも士郎達と同じ考えに至っていた。
…だが翌日、シホに「聞いていたでしょう?」と問いただされたのは言うまでも無いことだが。
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