第一章 無印編
第二十二話 『外伝3 夜の一族とシホ、真実を語る時(後編)』
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に追われることになった。それは世界による誘いの言葉。
―――だけどイリヤとの最後の約束と、アーチャーの記憶を思い出し苦渋の決断をしてそれを断った。それによって助けられなかった大勢の命。
―――それで理想に反してしまい思いは崩れてしまった。けどもう後戻りはできずとうとう世界からも追われるようになってしまった。
―――そして連戦による連戦で体はボロボロになり死を待つ体になったその時、大師父、リン、世界屈指の封印指定の人形師『蒼崎橙子』が私を助けてくれた。
そしてシホは懐から一枚の手紙を中心の机の上に置いた。
それはイリヤが士郎に送った手紙だった。
「これは…?」
「…読んでください。なぜ、今こんな姿になっているのかが分かります」
そして一同はその手紙に目を通した。
しばらくして読みきった一同の目には涙が流れ出していた。
すずかはもうファリンの体に顔を埋めて泣いていた。
「私はそこでイリヤの想いを知り、もう手遅れだということも知り後悔しました。
だからもう間違わないようにイリヤの想いも魂に刻んで事実上一回死んでからイリヤの体を素体にした人形に乗り移りました。
そして大師父から『シホ・E・シュバインオーグ』という新たな名をもらい、『全てを救う正義の味方』ではなく新しく芽生えた『大切な人達を守れる正義の味方』という理想を目指す事になりました。
ちなみにセイバーの鞘ですがまたコーンウォールで発掘したって言っていました。
だけど、そこで異常が発生して私は口調、仕草、思考が変化して現在の私になり、
そして世界を越えてこの世界に来た時に世界からの修正で『魂は一生変化しない』という定義を無視して男性から女性の魂に塗り替えられてしまったんです。
そしてこの体は9歳が基準で作られた為に完全に私は精神と意識が9歳そのものになってしまいました。
…これが私のすべてです。今まで隠していてごめんなさい…」
シホは立ち上がると深々と頭を下げて、どんな処断も受ける覚悟で精一杯の気持ちを込めて謝罪した。
◆◇―――――――――◇◆
Side 高町士郎
「シホちゃん…」
私はただ名前を呟くことしか出来ないでいた。
いつまでも頭を下げている小さな女の子は、元がなんであれ、もう私達の娘だ。
だけど、それ以上に彼女…もとい彼が経験してきた内容があまりに悲惨なものだという事実にただただ体が動いてくれない。
しかし、やはり私の妻は強かった。
未だ頭を下げているシホちゃんを強く抱きしめたのだから。
「シホちゃん…謝らなくていいのよ。こんな辛い話…本当なら話したくなかったんでしょう?」
「いえ、これはいつかは語らないといけないと思っていましたから…それに、これを話した以上私はどんな処断も受ける覚悟
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