第一章 無印編
第二十二話 『外伝3 夜の一族とシホ、真実を語る時(後編)』
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っていうところです」
「確かに…」
恭也はその意見に同意した。
まだ子供(シホも見た目子供だが…)には聞かせられない内容なのだろうと察したから。
「えっと、私はいいのかな…?」
そこですずかが恐る恐る聞いてきたのでシホは「いいわよ」と答えた。
「月村の皆さんにもできれば聞いて欲しいです。
もう…みんなの目を欺きたくないから…」
「それはどういう…」
「全員集まったら、その時に…」
「…わかった」
恭也は、いやその場にいた全員はそれで妥協した。
◆◇―――――――――◇◆
…翌日、高町家(なのは、ユーノ、フィアを抜いた)のメンバーと月村の主要人物が一つの居間に集まっていた。
「それでシホちゃん。話したいって事はなにか聞いていいかい?」
それまで誰も無言で空気が張り詰めていた部屋の中で、士郎が代表してシホに口を開いた。
それにシホは「はい…」と少しいつもより弱めの返事を返した。
全員は「きっと覚悟を持った話をしてくる」と思ってシホが話し出すのを待った。
「まず、最初に皆さんに謝罪したい事があります」
シホは椅子の上で両手をギュッと握ってそう言った。
「私の名前ですが今はシホ・E・シュバインオーグですが…そうですね。以前…いや、この体になる前の本当の名前は『衛宮士郎』といいます」
「本当の名前? それにこの体になる前? それってどういう事?」
「それに名前の響きからして男性だったの…?」
忍と美由希がそう聞いてきた。
それにシホはただ無言で頷き、
「私の今から話す事を最後まで聞いてください。
そして、その後にこれからについて考えてください。私の処断について…」
シホの言う“処断”という言葉に全員は少し納得していない顔をしたが、無言で頷いてくれた。
それでシホも覚悟を決めてポツリポツリと過去を話し出した。
―――最初の悲劇であり、衛宮士郎の原初の記憶…体は生き残ったが、名前以外…記憶と心が死んでしまった大火災。
―――衛宮切嗣に引き取られ、魔術というものを知り、必死に教えてもらおうとした事。
―――引き取られてから五年して衛宮切嗣に死に際に託された『正義の味方』という理想。それによって初めてがらんどうだった自身に目指すものが見つかった事。
―――高校生になり、そこで魔術が使える事で巻き込まれた聖杯戦争という七人の魔術師と英霊という最上級の使い魔であるサーヴァント七騎で何でも叶うという聖杯を巡る殺し合い。
―――当然、魔術が使えるからといって聖杯戦争自体知らなかった為、アーチャーとランサーのサーヴァントの戦いを偶然目撃してしまい、ランサーに気づかれて心臓を貫かれ死にかけた事。
―――それをアーチャーのマスターによって助けら
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