第一章 無印編
第二十二話 『外伝3 夜の一族とシホ、真実を語る時(後編)』
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すずかの誘拐未遂事件があったその深夜の事、シホと恭也はアジトに忍び込んでいた。
忍とノエルはいざという時の為に家で待機してもらっている。
「…相手の根城を攻める作戦だからあまり派手に行動しないようにしないとな」
「…はい。でも、驚きました。ノエルさんとファリンさんが魂の宿った自動人形だったなんて…」
「ああ、そのことか」
シホは前々から二人には人工的なものを感じていたけど義体かなにかだとあまり深く詮索していなかったが、夜の一族の件でこの事を忍から聞かされた。
それで忍とすずかは二人に任せても大丈夫だろうとこうして二人して忍び込んでいるわけだ。
しかしシホは別段ショックは受けなかったが二人には普通の人間の暮らしもしてほしいと思った。
だが、二人はそれで満足しているのだからあまり深入りな思考をしないようにしている。
…別の思考ではシホはある決断をしていたが、今は事件を解決して安心させてあげようという気持ちが勝っているので既に戦闘思考に入っている。
「少し訳ありだけど、シホちゃんだから話せた事なんだ。だからあまり忍達の事で気に病まないでくれると俺としては嬉しいかな」
「わかっています。私も色々と訳ありですから…それに、他人事でもないですし」
「? どういう意味かな?」
「いえ、この件はまた後で話します。それよりそろそろ予定通り二手に分かれて全員を捕まえましょう」
「…そうだな。ちょっと気になるけど後で話してくれるなら、今は戦闘に集中できる!」
そう言い、恭也は小太刀を構えていた。
ちなみに恭也の装備は、黒いジャケットを見に纏い、腰の左側には二本小太刀を差した所謂『二刀差し』。袖には鋼糸。二の腕にはさらに飛針が仕込んである御神流のフル装備である。
それに対してシホはというと、P・T事件で身に纏った格好を闇夜に動くというわけで赤ではなく恭也と同じく黒い装飾になっている。
腰のホルダーには干将・莫耶が差してあり、マントの裏側には黒鍵(柄だけ)がいくつも仕込んである。
…徐々にカリーで代行者な人の格好に近づいてきたなぁ…とシホは少し落ち込むがすぐに気を引き締めた。
そしてシホと恭也は耳に忍謹製通信機を仕込んで一気に闇を駆けていった。
………………
……………
…………
恭也は気配を消しながら一人ずつ小太刀の柄部分で『徹』でもって衝撃を与えて周りを哨戒している男達をすべて沈めてからシホがマグダラの聖骸布で縛り上げて無力化していく。
「しかし…そのマグダラの聖骸布といったかな。男性に対して絶対的拘束力を秘めている布はこういう場では実に有効だな。
そして同じ男として恐怖を感じてしまう。まぁ、こんな奴等には同情などする余地もないけどね」
「そうですね。さて、これで警備
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