暁～小説投稿ｻｲﾄ～:失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】 ⅠＦ・Ⅰ「覇王、月音！」

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失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】

原作開始【第一巻相当】
ⅠＦ・Ⅰ「覇王、月音！」
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せるものかぁぁぁッ！」

「地に這いつくばれぃ！」

　炎を放つ九曜より一寸早く動いた月音はその堅く握りしめた拳を顔面に叩きつけた。

　鉄槌のごとく振り下ろされた拳は九曜の顔面にめり込む。衝撃のあまりに後方に体が倒れ、地面と板挟みになった。

　堅いコンクリート打ち砕き、九曜の身体の半ばまでが地面に埋まる。『力』の大妖であるバンパイア並みの膂力に誰もが息を呑んだ。

『九曜様！』

　正気に戻った公安たちは一様に九曜の元に駆け寄るが、背後に忍び回った月音に頭を掴まれた。

「汝らも同罪よ。仲良く頭を冷やすがよいっ！」

「ぶべっ！」

　立て続けに月音の剛腕によって地面に叩きつけられる公安。くぐもった声を漏らしながら、犬神家のように仲良く地面に埋まった。

「やっぱり、月音ってすごい……」

　座り込んだまま呆然と事の成り行きを眺めていた萌香が呟いた。

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