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失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】
原作開始【第一巻相当】
TF・T「覇王、月音!」
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「公安の悪口ちょっと言っただけで、なんでこんな目に遭わなくちゃならねぇんだっ!」
「俺なんか金を貢のを断ったらこれだ!」
拘留されている生徒たちの言葉を聞き、月音の眉がピクッと跳ね上がる。
「よくも無実の罪で俺をこんなところに入れやがったなぁぁっ! ぶっ殺してやるぞ九曜ォォォ――ッ!」
一人の男子生徒が雄叫びを上げた。鉄柵の隙間から伸ばした腕を巨大な刃に変化させて、その凶刃を九曜に向けて振るう。
「下等妖怪風情が、この私に汚らしいものを向けるな」
冷笑を浮かべた九曜は自身の掌に渦巻く炎を具現化させた。刃が九曜を襲い、彼の手から炎が放たれるようとする。
しかし――、
「……なんのつもりだ?」
刃は九曜の眼前で止まっていた――否、止められていた。他ならない月音の手によって。
怪訝な目で見やる九曜。月音は檻の向こうに静謐な視線とともに諭すような声を投げかけた。
「堕ちるべからず」
「あ?」
「横領、強奪、職権乱用……、この者の性根は魂に至るまで腐りきっている。汝の手を血で染める価値は無い」
キョトンとした目を向けてくる男にフッと微笑む。
「汝の手を穢すに値せず」
あれほど騒がしかった喧騒はいつの間にか止み、ただ一人の男に魅入られていた。
「汝らの無念は我が代理で晴らそう」
月音の鷹のような鋭い眼光が九曜を射抜く。
「ほう……。薄汚い下等生物の分際で、この九曜に刃向うか」
不敵な笑みを浮かべながら月音に向き直った。解放された妖気が身体から立ち昇る。
「我ら公安は学園の治安を司る神聖なる正義。我々に逆らう者は学園に仇なす悪なのだ。私にはこの学園を公安につき従う者だけの美しき場所に変える使命があるのだ!」
掌に渦巻く炎は次第に面積を広げ、拳大ほどの大きさが瞬く間に頭蓋ほどの炎の塊へと変わった。尋常ではない熱波が月音を襲う。
「私に逆らう者には死あるのみ!」
九曜の手から放たれた炎が真っ直ぐ月音へと向かう。
月音の背後には拘留されている男子生徒がいる。避ければ彼が火達磨になるのは目に見えていた。
両手を顔の前で交差させて自ら炎弾に飛び込む月音。てっきり避けると思っていた九曜は彼の行動に眉根を寄せた。
「その屑を守るために自ら死地に飛び込んだか。もう少しいたぶってから殺すつもりだったが……、実にくだらん最期だったな、人間」
人間は体表の五十パーセントを火傷すると死に至る。ましてやくようの炎は鉄をも容易に溶かすほどの熱を誇る。
煙幕でその姿は見えないが、月
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