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失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】
原作開始【第一巻相当】
第十四話「決意」
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合おうと決めた私は寮へと戻る。その時、見覚えのある男が私の眼の前に立ち塞がった。
「よう。どうしたんだい、こんなところで一人でよ」
髪を染めて口と耳にピアスを付けた男。確か、小宮砕蔵といったか。
とるに足りない男だと判断した私は小宮の横を素通りするが、背後から肩を掴まれた。
「待てよ! ちょっと付き合ってくんねぇかな、モカよぉ」
「……気安く私に触れるな」
肩に置かれた手を払い止めていた足を動かす。刹那、背後から感じられた気配から反射的に跳び退いた。
寸前まで経っていた場所を剛腕が穿つ。地面を割って小さなクレータが出来た。
「貴様、なんのつもりだ」
「ククク……俺はマジだぜ? マジでお前が欲しいんだよ。お前のその美しさは今まで襲ってきた人間どもの比じゃねえ! あの月音とかいうモヤシには勿体ねえよ!」
クツクツと嗤う小宮を睨む。制服がはち切れんばかりに小宮の身体が膨らんだ。変化を解き始めているのだろう。
「あっといけねぇ、興奮して身体が疼いてきやがった。こうなっちまうともう人間の姿でいられなくなっちまうんだよ」
「月音を狙うのは何故だ」
「んなの決まってんだろ。お前が欲しいからだよ! お前みたいな極上の女の側にあんな糞がいると無性にムカつく。だから教えてやってんだよ。お前みたいなクズはモカに近づくべきじゃないってな。クズはクズがお似合いだとよ!」
「ゲスが……。私は誰と居ようと私の勝手だ。あいつは私の友だ、奴に手出しをすることは許さん」
「はっははは! モカは冗談が上手いな! あんなクズのゴミが友達!? 笑える話だぜ!」
腹を抱えて笑う小宮にスッと意識が研ぎ澄まされる。溢れ出る殺気に目の前の男は気が付かない。
「はははは! ちょっとばかし校則違反だけど楽しもうぜ、モカよぉ!」
「ふん……。私の友を侮辱した罪を思い知れ」
目の前の筋肉バカの顔面に蹴りを叩き込もうと右足に『力』を注いだ時だった。
「モカさん!」
ここにいる筈がない男の声が聞こえたのは。
† † †
バスに乗ろうとした俺はふと荷物が足りないことに気がついた。
「あっ、カバン寮に置いてきちゃった」
取りに帰ろうと道を逆走していると、右手側からモカさんの声が聞こえてきた。なにやら激昂している声音。気になるがモカさんの前から逃げ出した身としては彼女の前に姿を見せるのは抵抗があるため、そっと物陰から窺うことにした。
木の影から顔
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