第八十話
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「まったく、昨日の今日で厄介事が続くものだよ…」
愚痴ったアオだったが、その直ぐ後にアテナが不吉な言葉を発する。
「まったくだ、そして今度もまた厄介事がやって来たぞ」
と、アテナが空を見上げると、突然晴天であったはずの空が陰り、暴風と雷雨を伴い始める。
「きゃっ!」
「な、なんだっ!?」
突然の出来事に慌て、風雨を避けるように人々は我先にと建物の中へと非難する。
バリバリバリッ
雷光が煌き、地面に落ちるとその中から古めかしい服を着た大男が現れた。
「千客万来だな」
アテナが面白そうに言う。
「あんた達か?スサノオを打倒したと吹聴しているのは」
そう嵐と共に現れた大男はアオ達に聞いた。
はぁ?
と、皆が訳が分からないと言う顔をするアオ達。
「どちら様ですか?」
「オレは須佐之男だ。速須佐之男命と呼ぶ奴もいるな」
「なっ!?」
またビックネームな神が現れた物だ。
日本神話における三貴神の一人。
竜蛇を倒して妻を娶ると言う『ペルセウス・アンドロメダ型』の神話を持つ《鋼》の神だ。
「これはまた鋼の属性を持つ神であるな。忌々しいやつめ」
蛇の女神でもあるアテナにしてみれば鋼の英雄は蛇の女神をまつろわせる忌々しい奴らであろう。
「ここに須佐之男を倒した奴が居るのだろう?どいつだ」
が、しかし、アオ達にそんな奴を倒した覚えは無い。
「アレの事であろう。昨日アオが使い、先ほどソラが使った益荒男の権身の事よな」
このまますっとぼけられればおそらく須佐之男は去ったのだろうが、無駄に慧眼鋭いアテナの言葉を聞いたスサノオは気色ばんだ。
「あの金髪の魔術師の記憶を弄らなかったのが災いしたな。大方何処かでポロっとスサノオが打倒されたのではないかと口にでも出したのだろうよ。事の真相を知らなければアレは確かに権能と言われても信じるに値する能力であった」
「何を一人で納得しているんだよっアテナ姉さんっ!」
「ほう。良く分からんが、須佐之男の名に相応しき妙技で有るのだな?」
獰猛な笑みを浮かべながら須佐之男は言った。
「ならばオレと戦えっ!」
またこう言う手合いかとアオ達は辟易する。
「断ると言ったら?」
戦う理由も無いとアオが答える。
「関係ないな。オレがお前達と戦いたい。ただ、それだけだ」
須佐之男の気の高ぶりに呼応してか、周りの暴風が強力になってきている。
「話が通じない!?」
「諦めろ。戦ってやれば良いではないか。まつろわぬ神など本来自分本位なものだ」
「ちょっ!アテナ姉さん!?」
と、アオが吠える。
「と、とり
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