Mission 1 精神が……?
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「ほーきではない。『篠ノ之 箒』だ。ほーきではなくほうきだ」
「見た所、かなりの腕前だな。少し練習相手になってくれないか?」
「話を聞かないのか…………まぁ良いだろう。先に三発入れた方の勝ちでいいか?」
「勝利条件は何でもいい。その竹刀を貸してくれないか?」
いま俺は手ぶらだ。一応ゼットセイバーはあるが刃が出せない。
なら彼女の手にしている物を借りるのがいいだろう。
「お前の横に予備が落ちている、それを使え」
言われたとおりに脇に落ちていた竹刀を拾う。
長さはゼットセイバーより少し短いな、だが、おかげで重さは一緒だ。
「構えろ」
彼女は自分でそういうと背筋を伸ばし、両手で竹刀を持ち正面に構える。
俺は今までの戦いで慣れ親しんだ構えを取る。腰を落とし右手を柄の上、左手を下に添える。
「っ!?」
構えた瞬間に彼女は踏み込み上段から打ち込んでくる。
かなりのスピードを伴った攻撃だ。なかなか鋭い。だがその程度、避けられないわけがない。
Side --- <箒>
「っ!?」
アンリエットは突然の攻撃に驚いた顔をしながらも横に少し体をずらし軽々とそれを避けた。
まぁ、あの程度は避けて当然だろう。
あんなに独特の構えを取っているのだからかなりの強さを持っているか、もしくは、弱いかしかない。だが今の一撃でそれは前者だったと判明した。なら手加減していてはこちらもただではすまないだろう。
「はっ!」
短い気合いと共に振り下ろした竹刀を振り上げる。
アンリエットはそれを竹刀で受け止めると踏み込み、体当たりをしてくる。
くっ、以外に強い当たりだな。
「ほら、本気を出したらどうだ?」
「ふん!お前こそどうだ」
「いいのか?ただじゃすまないぞ?」
「大した自信だな」
グググっと押し返してはいるがパワーでは負けているようだ。
パワーで負けている、スピードにはそこまで絶対的な自信があるわけではない。なら、長い間の鍛錬で身に付けた術、テクニックを見せるだけだっ!
「はぁぁぁ!」
ズダンッと大きく音をたてて右足を踏み出し体重を前方に傾ける。次いで即座に摺り足で後方に下がりアンリエットの竹刀を軽く打ち付ける。
パシィンと小気味の良い音をたててアンリエットの竹刀がしなる。
「…………!」
無音の気合いと共に
前方へ大きく駆け出し抜き胴を放つ。
パァン!
と、一際大きい音がこだまする。
完璧に決まった。ここまで綺麗に決まったのは久しぶりかもしれない。
ん? 完璧に? …………そう言えばアンリエットは防具を着けていないんじゃ……
教室ではあれだけのことで泣きじゃくっていたし、もし
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