Mission 1 精神が……?
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「そういうものなのか?」
「そーゆーものなんです。あっ、これは今度洗って返しますね?」
「別にそこまでしなくてもいいんだが」
「駄目です。私の気持ちが収まりません。これくらいはやらせて下さい。ね?」
「そこまで言うのならそうして貰ったほうがいいのだろう? たのんだ」
「はい、分かりました」
「あと、アンリエットとはあまり呼ばないでくれ。呼ばれ慣れていなくてな、反応しにくい」
「そうですか、なら次からはゼロ君と呼びますね」
周りがやけに静かな事に気が付く。
なぜ、みんなしてこちらを凝視しているんだ?
そしてどうしてヤマダは気が付いたかのように顔を真っ赤にしてわたわたしているんだ?
人間は理解しにくい。非常に。
「ほう、アンリエット。公衆の面前で教師を口説くとはいい度胸だな」
チフユが腕を組みながら威圧を掛けてくる。
ゾクりと背筋が震える。オメガと対峙した時以上の威圧感だ。チフユは何者だ?
「口説く? 口説くとはなんだ?」
「しらばっくれるな。まぁいいとにかく全員席に着け」
ドタドタと素早く席に着く。
チフユは教壇の前に立つと凛と澄ました声でこの学校での心構えや、自分の俺たちに対する接し方をあらかた喋って満足したようにヤマダを連れて教室から出て行った。
チフユが出ていく前に置いて行ったこの膨大な量の紙媒体が俺への課題らしい。
まぁこの程度の量ならすぐに終わるだろう。
など考えながらパラパラとページをめくっていると急に声を掛けられた。
「あなたあんなことして恥ずかしくありませんの?」
「?」
「なんですの? その表情はこのわたくしセシリア・オルコットが話しかけて差し上げているのですからもっと嬉しそうにしたらどうです?」
「お前はそんなに偉いのか?」
率直な疑問を投げかける。話しかけただけで相手が喜ぶなどよほど人気があるか偉いかのどちらかだ。
だが、正直そこまで人気があるようには見えない。ならば偉いのか?と聞くのが妥当だろう。
と思ったのに、どうやらセシリアの癪に障ったらしい。
「んまっ! 代表候補生でオルコット家の令嬢であるこのわたくしに向かって偉いかなど愚問ですわっ!」
「その、代表候補生はなんだ? よかったら教えてくれないか?」
「その程度の知識も無いのによく入学できましたわね。まぁわたくしと比べるのも可哀想ですが。なにせ入学試験を受けた中で教官を倒したのはわたくしだけですもの」
鼻高々に自慢をするセシリア。
何故だかわからないがこの物言いにいらつきを覚えた。
何でこいつはここまで人を見下しているんだ。
なので少しの仕返しも含めて皮肉を返す。
「教官? それなら俺も倒したぞ?
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