Mission 0 英雄と乙女機装
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洞窟の奥からなにか音が響いてくる。微かに光も見える。
エネルギーのような気配を感じ赤い鎧の彼……『ゼロ』は立ちあがる。
関節部に異常が生じたのか少し動きの悪い右足を引きずりながら光の方へ向かう。
「これは……? ワープホール…のような何かか?……っ!?」
光りが強くなったかと思うと光源のある方へものすごい力で引きずられる。
反対方向へのダッシュを試みるが右足の踏ん張りが足らず逆に引きずられるのを加速させてしまった。
左足からじょじょに光へ溶けていく。
そして、少し経ったのち彼の全身を飲みこみ終わった光の渦はその場から消え去った。
------???
「あっれ〜? いま一瞬だけ磁場が乱れた〜? ん〜おかし〜な〜まだその規模の物は実験してないはずなんだけどな〜? 場所は〜っと…………IS学園試験会場…かぁ。一応ちーちゃんに連絡しとこうかな?」
どことも知れない薄暗い部屋でフリルのついた服を着た女がウサギの耳を模したアクセサリーをピコピコ動かしながら巨大なモニターに何かを打ち込んでいた。
いくつものキーボードを駆使して数十ものモニターに何かを打ち込んでいる彼女はまさしく『天才』と呼ばれる人種なのだろう。
この服装からは到底想像しえないが。
------IS学園試験会場
「ここは……?」
光の渦から解放された彼、ゼロは見た事も無いような地面に倒れ伏していた。
「随分整った床だな」
ツルツルとした不思議な床に顔をしかめる。
いわゆるフローリングされている床なのだが、廃墟で眠り、荒野で過ごした彼にそんな知識があるはずも無い。
「(ここまで整った壁や床などの設備……ここはネオアルカディアか?)」
いや、ないな。いくらネオアルカディアでもここまできれいな設備は無かったはずだ。
と、ひとり自己完結する。
先ほどより幾分か軽くなった体を起こす。そして視界に入った自分自身の外見に違和感を覚える。
「(限りなく人に近い身体になっている? 鎧が無い……武装は?見当たらない)」
辺りを探すが何も見つからなかったのでとりあえずという事で薄暗い通路を歩く事にした。
しばらく歩いていると扉が目の前に現れた。
細心の注意を払い、扉の向こうの人気まで読むぐらいの気迫で扉を開け放つ。
「(これは……? 新たな兵器か?)」
扉を開けたゼロの前には見た事も無いような兵器、形容するならパワードスーツのような物が佇んでいた。
ソレは腰にはかつて戦った『ファントム』の使っていたような剣をぶら下げ、どういう原理かは分からないがどこにくっついているわけでもないのに少し地面から浮いている羽を模したスラスターと思わしきもの、そして肝心の中心部は空洞にな
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