第百五十二話 捨てられた人形
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よ」
アポロがそれを聞いて眉を顰めさせた。
「その為にシリウス達は作られたっていうのかよ」
「そして消え失せた世界にまた新しい世界を作る」
「そこにも天使達を置き」
「また消させる」
こう言っていく三人であった。
「それがこの世界」
「その輪廻の中に生きる宿命」
「それは定められたもの」
「定められた、ね」
今の言葉からすぐにあることを察した万丈であった。
「つまり君達が定めたってことじゃないってことだ」
「えっ!?」
「万丈さん今のは一体」
「どういう意味なんですか?」
「つまりだよ。彼女達は今定めたって言った」
万丈が指摘するのはこのポイントであった。
「自分達が、とは言っていないね」
「そういえば確かに」
「今の言葉は」
「この世界は確かに彼女達によって動かされている」
それはわかる万丈だった。
「けれどね。その彼女達の上に誰かがいる」
「誰かが」
「あの三人よりも上っていうのは」
「それはわからないよ。ただ」
「ただ?」
「修羅界も崩壊に近付いていた」
万丈が今度言うのはあの修羅界についてである。
「原因は不明だったけれどね」
「その通りだ」
フォルカが彼の言葉に応える。
「今だもってね。それはわからない」
「そうだよね。シャドウミラーの世界もそうだったし」
「そうだ」
今度はラミアが答える。
「あの世界もまた」
「複数の世界がそうなっていてこの世界でも崩壊させようっていう神様か何かがいる」
紛れもなくアル=イー=クイスのことである。
「何か重なるね」
「そうだな」
「それは確かに」
頷いたのはフォルカやラミアだけではなかった。
「修羅界もそうだった」
「この世界も」
アルティスとフェルナンドも言うのであった。
「やはりここには」
「何かがあるのか」
「だとすればだ」
今度言ったのはアリオンだった。
「万丈殿、それは一体何だ」
「そこまでは僕にもまだわからない」
それはまだだというのである。
「しかしだ」
「しかし?」
「彼女達がこの世界を崩壊させようとしていることは間違いないね」
こう言う万丈であった。
「それはね」
「そうか。間違いないのか」
「うん、ないね」
万丈の言葉は続く。
「絶対にね。間違いないよ」
「だとすれば一体」
「世界を崩壊させてまた新しい世界を築くというのか」
「ここに」
「最早天使達に頼ることはない」
言ったのはジェイであった。
「我等の手で滅ぼし」
「そして無に帰す」
「今度は世界を戻すことはない」
三人それぞれが言う。
「永遠の静寂をもたらす」
「このままな」
「そう、世界はもう作られることはないのだ」
「おい、黙って聞いてりゃな」
エイジがその三人に対して抗議の言葉を出し
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