二人の双剣使い
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いたのか光剣を振りかぶっていた
俺は続けざまに二発の銃弾を放つ。キリトはそれを光剣で弾く。それによってキリトは俺を斬る余裕が無くなった
残り弾数右1左2
「くっ……!」
キリトの表情に焦りが入る。キリトは後ろに下がりながらも水平に光剣を振った
それは悪手だ。もちろんキリトをそういうふうに誘導したのだが
銃弾を弾いたキリトの光剣は横に流れていた。そこから俺を斬るためには水平斬りしかないだろう
だから俺は足を曲げ地面を滑る。今回のフィールドである荒野には丈の短い草が生えている。地面との摩擦係数はかなり小さいのだ。つまりスライディング要領でキリトの剣の下をくぐり抜けたのだ
キリトは光剣を振ったあとに己の失策に気付いたのだろう
顔が悔しげに歪む
俺は滑りながら三発の銃弾をキリトのブレイクポイントである心臓のあたりに撃ちこんだ
だが、キリトのHPを削りきるには至らない
俺は舌打ちしながらもそのままキリトの後ろに抜ける
振り返って止まるとキリトも止まった
その距離約5m
「それで弾切れだろ、リン」
「……言うと思うか?」
だよな、そう言ってキリトは笑った。わかっているのだろう。俺の持っている銃に弾が入ってないことを。だが、キリトは構えを変えない。弾込め、もしくは下がる余裕はない
「惜しかったな、リン。あそこでかわされるとは予想外だった」
「倒しきれたと思ったんだがな……」
俺とキリトは苦笑いを浮かべる。これを観ている観客はなんで動かないのか疑問に思っているんだろうな
「安心しろ。おまえが守りたかったものは絶対に俺が守ってやる」
「自分で守るからこそ意味がある」
「へ?」
「一度守ると決めたものは絶対に自分で守るって決めてるんだ」
俺がそういうとキリトは嬉しそうに笑った
「なに、笑ってるんだよ」
「いや、お前らしいって思ってな」
「何を今さら」
俺はキリトの言葉にため息をつきながら肩をすくめる
「背中を預けた仲だろ」
キリトは相変わらずそんなことを臆面も無く言えるよな。……俺も言ってる気がするが
「このタラシが」
「なんで罵倒の言葉が返ってくるの!?」
「うるさい。そんな言葉を吐かれた女が落ちないわけないだろ」
「は?」
どうやら本当にわからないようで首を傾げるキリト。……なんかムカつく
ついでに言うとこの会話の最中でも構えを崩さないキリトにムカつく
「無自覚なのが一番怖いよな……」
アスナはともかくシリカとリズベットが可哀想だ。俺?両方の気持ちに気付いてるよ。でもやっぱり……
「そろそろ観客も焦れてきたんじゃないか?」
「……そうだな」
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