第十七話 甲子園にてその二十
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「いけるわ」
「そうか、そうなんだな」
「あのピッチャー凄いから」
「その郭ってピッチャーみたいにか」
「うん、いけるから」
こう美優に話す。
「これで七割方勝てるわ」
「あとの三割が不安ね」
彩夏は阪神によくあるその三割に入ってしまうことを心配した、阪神というチームにはとにかく絶対はないのだ。
「それにならないことを願うわ」
「私も。あともう一点」
これだった。
「それで違うわ」
「あっ、鳥谷さん盗塁したわよ」
四番は新井の兄だ。彼の初球にだ。
鳥谷は走り二塁を陥れた。一死二塁になっていた。
その状況を見て景子が言う。
「新井さん、打ってくれるかしら」
「ここでいつも三振とかなのよね」
琴乃の言葉には今の時点で嘆きがあった。
「内野ゴロとかね」
「勝負強かったのは一瞬だったのよね」
里香も言葉にそれを入れている。
「どうかしら、本当は」
「そういえばスタープラチナのお店の娘が漏らしてたけれど」
「あの横浜ファンの?」
「そう、あの娘が横浜が負けた時に漏らしてたのよ」
そうした時はいつもそうなっている不機嫌な顔でだというのだ。
「昔横浜にいた古木だけれど」
「あの人ね」
格闘家になったりもしている。その進路は迷走していると言えるだろうか。
「あの人がなのね」
「そうなの打率二一七位で」
レギュラーの打率としてはかなりまずい数字である。
「ホームランは二十五本で」
「打点は三十七本だったわよね」
「そうなの、そのことを言ってたけれど」
「新井さんもそこまでは」
酷い成績ではない、そこまでいくと論外だった。
「いかないから」
「そうよね、やっぱり」
「その古木さんのことは私も聞いてたけれど」
やはり里香は知性派だ、既に知っていたのである。
「チャンスに弱くて左ピッチャーにも弱かったのよ」
「それでその成績だったのね」
「ホームラン一本打つとね」
里香はこの常識も話した。
「絶対に一点入るから」
「そうよね、絶対によね」
「だからその二十五点以外の打点は」
「十j二点よね」
「流石にそれだとお話にならないから」
その古木がクリーンアップだったのだ。
「横浜はその時から最下位だったのよ」
「そうだったのね」
「五番サードだったのよ」
後にレフトにコンバートされる。
「そのサードの守備もね」
「あの娘そのことも言ってたわ」
「酷かったって言ってたでしょ」
「エラーの宝庫だったってね」
酷いのは勝負強さ、逆の意味でそれと左投手に対してだけではなかったのだ。
「言ってたら」
「守備も酷くて」
「ザル?」
「ファンタジスタだったの」
無論悪い意味でそうだった。
「そこまで酷かったから」
「ううん、凄
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