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第七話 夜天、遺失物
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が見えていた。
「本当にそうでしょうか?我々はそう簡単にやられたりしませんよ。」
「いいや。終わりや。」
相手の四肢から白色がきらめき、光の縄となってその場に拘束する。
「「「なっ!!」」」
三人は驚愕する。三人には一体いつバインドの魔法を使われたのか分からなかったからだ。
「い、いつの間に!?」
「これでチェックメイトや。」
右手で持ったシュベルトクロイツを掲げ、目の前に三角形のベルカ魔法陣を出現させる。
「なっ!その魔法は、まさか!?」
三人は魔法陣の出し方から使われる魔法の予測がついていた。
ひさめはそれに構うことなく、気にすることなく魔法の呪文を唱える。
「響け!終焉の笛!」
『Ragnar?k.』
「ラグナロク!」
ベルカ魔法陣のそれぞれの頂点に配置された小さな魔法陣からそれぞれ一本ずつで計三本の光線が放射された。
バインドで拘束されている三人は特に抵抗することもできず、ラグナロクに飲み込まれる。
しかしラグナロクの攻撃が終わった後、バインドを解き、バリアジャケットをぼろぼろにしながらもそこにかろうじて立っていた。
「………まさかこれも耐え抜かれるやなんて。」
「………三つに分けたラグナロクがこれほどの威力とは………。」
ラグナロクは本来三つの光線を束ねて一つの対象を打ち抜く魔法である。
けれど今回はラグナロクを三つの光線をそれぞれバラバラに撃ち出した。
単純計算で威力は三分の一のはずである。しかし、それでもぼろぼろになってしまうほど高い威力があった。
「撤退するぞ………。」
一人がそうぼそりと呟き、他の二名もそれに頷く。
その瞬間、三人の足元にそれぞれ魔法陣が出現する。
しかし、ひさめがそれをただ見過ごすはずはない。
「させへん!」
30の魔力弾を三人に向かって放つ。
それぞれ10ほどの魔力弾が向かっていく。
それらの魔力弾は全て強力な魔力を込められたものであった。
並みの魔導師ならばシールドを張らなければ一撃で墜ちてしまったほどだろう。
しかし、それほどの魔力弾もただ虚しく空を切る。
「逃げられてもうたか………。」
目の前にはただ、砂漠の世界が広がるのみ。

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