第七話 夜天、遺失物
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差し出された三枚の資料に視線を落とす。
資料に書かれていたロストロギアはそれぞれ、
『デザイアシード』準危険指定
『エンドレスレボリューション』指定なし
『デリバリバード』指定なし
とあった。
ひさめが資料の内容に簡単に目を通して見ると、『デザイアシード』は人の欲望に反応し欲望をかなえるロストロギアで、『エンドレスレボリューション』はなぜか延々と一定の速度で回転し続ける独楽のような物であることが分かった。しかし、どちらのロストロギアも以前にも似たような品が何度か発見されていて、そのたびに解析されているために危険度は大したことがないと判断されている。『デリバリーバード』は次元世界のどのような場所であっても、送り先さえ分かっていれば、一瞬で物を送ることのできるロストロギアであった。しかし、全体の原理や構造は解析されているが、その技術を再現できない。というものであるようだった。
「この三つを運べばええんですね?」
「ええ。お願いします。どのロストロギアも謎が残されている部分も多いですが、封印もしっかりと施してありますし、おおむねどれも危険は皆無ですから。」
ラルクは最後にひさめを安心させるような言葉で締めた。
ひさめは本局に戻るべく、転送ポートに向かってグラールの空を高速で飛行していた。
「クロイツ。あとどのくらいや?」
『20 Minuten.(20分)』
「もう少し早く着きたいな。もっととばそか。」
ひさめはさらに加速し飛行する。
それ以降、ひさめとシュベルトクロイツの間に会話はない。
シュベルトクロイツが無口なのもあるし、ひさめもそこまで積極的に会話しようとしていないのもある。
そのまま会話がないまま飛行すること五分ほど、いままで黙っていたシュベルトクロイツが急に反応する。
『Nahenden Feind.(未確認物体接近中)』
「なんやて!?」
一気に制動をかけ、急停止し周囲を警戒する。
未だに自分が確認できていない状態での接近。この場合、一体どのタイミングで不意を打たれるかが予想できないために常に周囲を警戒する必要がある。
『Beachten die nach vorne.(前方注意)』
クロイツの指摘にひさめは前方に最大限の注意を払う。
すると、三つほどの人影がこちらに向かって接近してきていた。
人影はひさめから五メートルほど離れた位置で停止する。
ひさめは敵の挙動に対し、すぐさま反応できるようにシュベルトクロイツを構える。
「あなたは八神ひさめ一等空尉で間違いありませんか。」
相手はまず対話という選択をしてきた。
敵と思しき相手が対話と言う選択をしてきた以上、局員である自分がいきなり武力行使と言うのはまずい。ひさめはその対話に応えることにした。
「そうや。わたしが八神ひさめや
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